ABCにっき(司法試験受験ブログ)

司法試験合格を目指している受験生のブログです。2019年予備試験合格


私の質問箱にこんな投稿がありました。

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予備試験の論文式試験の合格発表が近かったことからすると、今年の予備論文に不合格だった方の投稿なのだと思います。
私も学部4回生の時に受けた予備論文に不合格となり、全てが終わったような気持ちになったことがあるので、なんとなく投稿された方の気持ちが分かるような気がします。
だからこそ、一番受かりたかった時に予備試験に落ちたからといって、全てが終わってしまうわけではない、ということを伝えられれば、と思いました。

投稿の文面からすると、投稿された方は、「四大法律事務所かそれに類する企業法務系事務所への入所を志望しており、その入所には学部予備合格が一番の近道だと思っていたが、それが叶わなかったどころか、若年で司法試験に合格できると思っていたのに想定より時間がかかってしまいそうだ」と思っていそうです。
いくつか慰めになりそうな話を書いてみることにします。


1.「学部予備合格が就活で強い」が真だとしても、「法科大学院に行くと就活に不利」とは限らない

学部予備合格が就活で強いとされていることには争いがないと思います。
だからといって、法科大学院に進学すると(四大)就活に決定的に不利かというと、そういうわけではないはずです。

四大をはじめとする多くの企業法務系事務所はロー生向けのサマーインターンを用意しています。
ロースクールによっては、有名な企業法務系事務所からの寄附講座が提供されていて、そのカリキュラムの一環として受講生に同事務所を訪問する機会を用意していることもあります。
四大のどの事務所も毎年一定の人数のロー卒の人を採用しています。
外資企業法務系事務所の中には公式HPリクルートサイトの弁護士紹介のページで、ロー卒のアソシエイトだけを掲載しているところもあります。
予備試験合格者向けのウィンタークラークには、予備試験に合格したロー生も当然申し込むことができ、このことは予備試験合格の資格ではなくロー卒資格で司法試験を受験する場合も変わりません。

これらのことから、ロー生・ロー修了生を、あなたが志望するような事務所が採用ターゲットとしていることは明らかです。
そのため、法科大学院に進学することになったから、あなたの目標の達成が著しく困難になった、ということはないと言えると思います。
人によっては、ロー生の就活で重視されると言われているGPAを高くすることに長けている等の理由で、むしろスムーズに就活を進められることすらあるのではないかと考えます。
予備試験合格と就活の関係については、西田先生のキャリア本にも複数箇所で触れられています。
2.「学部予備合格」にこだわるなら、それも可能(予備試験浪人をするということ)

とはいえ、大学生活を通じて、私はGPAを高くするような努力にあまり向いていないな、と感じていたため、ロー生としての就活を有利に進められる気があまりしていませんでした。
(直接の理由は別にありましたが、たぶん低GPAでロー生就活をすることへの恐怖が頭の片隅にはあって)私も学部4回生の時にはロー受験をしておらず、留年をして予備試験を受けることにしました。
その時のことは別に書いているので、そちらに任せることとします。
(参照:予備試験浪人をするということ)

学部5回生で予備試験に受かったので、形式的には(形式的にだけ)学部予備合格ということになったのですが、特に留年経験について詰められることもなく、就活で不利に取り扱われたことはないように思います。
また、一番受かりたかった時の予備試験に不合格になった、という失敗体験ともうまく付き合えるようになりました。

そういうわけで、「学部予備合格」ということにこだわるのであれば、別にロー進学をしない手段も存在するので、その手段を選択することも考えられると思います。
一方で、また予備試験に不合格になってしまうリスク等々のことを考えたら、予備試験のためだけに留年をするというのは、かなり思い切りの必要な選択なようにも感じます。
「そこまでじゃないなあ」と感じるなら、気持ちを切り替えて、次の目標に向け、また努力をしていくと良いです。


3.司法試験合格時の年齢が26歳となるのはふつう

司法試験の合格年齢の平均は28歳代です。
また、司法試験の合格者で一番多い属性は、ロー既修修了後1年目合格者です。
学校に通い、試験を受けているうちに20代が半分終わってしまう、ということに一切の不安がないかと言われれば嘘になりますが、そういう試験なので、何も引け目を感じるようなことではありません。

身の回りには、もしかするともっと若くに司法試験に合格した人がいらっしゃるのかもしれないし、そういう経験談ばかりたくさん回ってくるので、「学部予備合格じゃないと遅いのではないか」という感覚に陥ってしまうこと自体は理解できます。
しかし、その感覚は実態とは少しズレているように思います。
客観的な数値としても合格年次としてはまったく遅くありません。

その一方で、学部4年生までに予備試験に合格して、四大をはじめとする名門事務所に入所することが、一般的に語られるエリート像と親和性が高いことも理解します。
特に今まで高学歴等のステータスが高いとされる属性を有していた方は、自分がそのようなエリート像から離れてしまうのではないかという恐怖を感じるのは変なことではないように思います。
しかし、学部4年までに予備試験に合格しなかったくらいで自分の経歴が完全に破綻したと思うのは気が早いように感じますし、そもそも、これを気に自分がエリート街道とされるような経歴にしがみつきたいかどうかをゆっくり考え直すことも手かもしれません。


さらに、合格時の年齢が何歳であろうが、長い目で見れば関係がないということは、修習に来てからよく分かってきました。
業界全体として、そもそもある人が何歳であるかは重視しておらず、修習期で把握しあっているため、誰が何歳で司法試験に合格したか、ということに特段注意を向けていないように思われます。
そういうわけで、仕事の成果物の出来不出来と合格時の年齢が結びつけられて語られるようなこともあまりないのではないかと感じます。

特別な理由で、合格年齢が26歳になることで困ることがあるならまだしも、そうでないのなら、現状を受け入れ、合格を目指して勉強をし、26歳に司法試験の合格発表で自分の受験番号を見られるよう努力していくのが良いのだと思います。


4.では、どうすれば良いのか

先の投稿は、「どうしたらいいのか」と結ばれていたので、どうすればよいのか考えますが、答えはシンプルだと思います。
弁護士になろうという目標が変わらないのであれば、ひとまずは来年の予備試験、再来年以降の司法試験に合格できるように勉強を継続することです。
ロー生になったからといって四大に入る目標が潰えるわけではありませんし、勉強に励んだ人を適切に評価しないような事務所群でもないように思います。

客観的にはなんらまずい状況ではないので、あとは自分の気持ちと折り合いをうまくつけられるかが大事なのだろうと思いますが、これも同じことだと思います。
予備試験への未練は、予備試験や司法試験に合格することで解消するのが手っ取り早いと思うので、来年以降の試験に向け、またゆっくり再起できると良いです。



こうは書くものの、これらのことは簡単なことでは全くないです。
私も、10月上旬に予備論文の不合格を知ってから、当時内定を頂いていた企業に内定辞退を伝えるまでの間、現実でないような気持ちになって、しばらく腑抜けになっていたと思います。
なんとか持ち直したのは、家族や友人に、自分の状況についていろいろと話して、それを聞いてもらえたからです。
その時のことを今も心から感謝していますし、うまく機序を説明できるわけではありませんが、とにかく自分の現状を言葉にして、誰かに聞いてもらうことが、困った状況の打開に有効なように感じます。
身近な人でもいいですし、そういうことを話せそうな人がいないなら、私を含む見知らぬ先輩にでも話を投げてみるといいです。


目標を達成できなかった経験は、なかなか耐え難いものですが、また頑張ろうと思える日が来ることを願っています。
応援しています。





質問箱に来ていた質問に回答しています。
私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee


参照:質問箱の利用と記事募集











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0.司法修習までの事前準備

令和3年度司法試験の合格発表がありました。
合格された方はおめでとうございます。
残念な結果になった方で、また試験に挑戦される方は、その挑戦の成功を祈っています。

司法試験の合格発表から司法修習までは、わずか2ヶ月しかなく、さまざまな準備が必要です。
どのような準備をしておけばよいか、いくらか相談を受けたので、その回答を箇条書き風(?)にいくらか書いておきたいとおもいます。
もちろん、修習に関する諸手続を進めておかなくてはならないことは言うまでもないので、特に書いていません。
また、特にまだ経験していない部分がある起案等は、先輩の受け売りが多分に含まれます。

基本的には、Google検索して出てくる諸先輩方の意見と大いに被ります。
そちらもあわせて参照すべきですし、他の修習生が同様の趣旨のことを語り出すことも期待します。



1.修習地への引越しについて

修習の開始までは、概ね次のようなタイムスケジュールになっています。

①10月8日:修習地等が記載された採用内定通知が発送
②11月15日〜12月7日:導入修習(75期はオンライン実施)開始
③12月8日〜13日:移動日(修習は基本なし)
④12月14日:実務修習開始
①あたりで修習地が分かり、実家から通えない距離に修習地がある場合には、遅くとも④実務修習開始までに修習地への引越しが済んでいる必要があります。
一応公式に③移動日が設けられており、その間に引越しをすることも考えられますが、6日間で修習地での生活を立ち上げることができるかは何ともいえないところです。
今年は導入修習がオンラインで実施されることもあり、②導入修習中や、それ以前に修習地に引っ越すこともありえると思います。
私は②導入修習が始まる前に修習地に引っ越しました。身の回りの人は導入修習前後でそれぞれちょうど二分されるような感じだったと思います。

以上のことを踏まえると、引越しに関連して準備をしておくこととしては、
○実務修習地発表前
・いつ引っ越すかを考えておく
・(なんらかの理由で修習地の見通しがつくなら)賃貸情報サイト等で家の希望条件を探しておく
・持っていく物を考えて、引越し代の見積もりを立てる
○実務修習地発表後
・現地に内見に行くかどうかを決め、行くならその段取りを決める
・住民票等の扱いを考える
・(可能なら)同修習地の先輩を探して住むエリアを相談する
・(導入修習前に引っ越し、インターネットが即日使える家でなければ)修習中のオンライン授業を受講するインターネット環境の確保を検討する

あたりがあると思います。

2.修習中の金策について

修習中やその前後には何かとお金がかかります。
その全容を掴んだ上で、今までの貯金と毎月もらえる13.5万円+3.5万円だけでなんとかなるのかどうか、検討しておく必要があります。

○修習関連でかかるお金の代表例
・引越し費用×2
・家賃等、毎月の生活費
・毎日の交通費(弁護士会の都合で裁判所から遠隔地での修習になるような場合でなければ、毎日の修習先への交通費は出されません)
・就活のための交通費
・各種保険の支払い
・弁護士登録費
・修習の翌年に支払う税金(修習中にもらうお金は雑所得です)

これ以外にも、遊興費や書籍代等、毎月変動する出費があるはずです。

○お金の工面について検討すること
・修習専念金(国からの月10万円の無利子の借金)を借りるかどうか
・アルバイトをするか(司法研修所の許可が必要。法律資格系だと許されがちらしい)
・就職先でいつから給料がもらえるか

このあたりのことを検討しておくと、何かと安心な気がします。
私は毎月貯金を切り崩しながら生活していて、大変です。

3.事前課題・即日起案について(事前の予習のことについて)

修習をなんとかやっていくために、どれくらい勉強をしておくかを悩んでいる人が多々いるように思います。
修習での試験関連のトピックとしては、

①10月上旬の白表紙(修習中の教科書類)及び事前課題の発送
②導入即日起案(導入修習中にあるテスト)
③即日起案(各実務修習先及び集合修習でのテスト)
④二回試験

あたりがあるでしょうか。
事前課題とは、導入修習が始まるまでに答案を作成して提出するタイプの課題です。
この事前課題を解くために必要な白表紙が指定されており、これを読まなければ適切な解答は困難です。
逆にいえば、これらの白表紙を読んでおけば、形式的には解答らしい解答が完成します。

白表紙は、あまりに質素なデザインであまり勉強する気にならないというような否定的な意見もあるように思いますが、個人的には必要な内容がぎゅっと詰まったいいテキストが多いように思います。
修習向けの勉強は、白表紙が届いてから、事前課題を解くのに必要な範囲でそれらを通読しておくとスムーズにデビューができますし、それで十分です。
(というとなんだか勉強量が少ないように思えますが、白表紙が届いてからの1ヶ月で、重要なものに絞っても10冊弱の白表紙の内容に目を通すのはけっこう大変です)
配布される白表紙が74期と同じなら、目を通すと有用な白表紙としては、

・新問題研究 要件事実
・紛争類型別の要件事実(73期までは配布されていなかったようですが、74期では配布がありました)
・事例で考える民事事実認定
・プラクティス刑事裁判
・プロシーディング刑事裁判
・刑事事実認定ガイド
・検察終局処分起案の考え方
・検察講義案(これは二回試験でも参照が認められている(はず)なので、他の白表紙ほど暗記が必要という感じはない気がします)
あたりがありそうです。
まずは事前課題を解くのに必要な範囲で目を通して、時間ができたら適宜挙げられているものを読んでいくのでいいと思います。

導入即日起案以降は、試験中の白表紙の参照は、一部の例外を除いてできないので、この中身を頭に叩き込んでいくのが修習向けの学習の第一歩になりそうだ、というのが今のところの所感です。

任官任検を狙っており、起案の成績を確保したい人でなければ、ひとまず白表紙を読んでおけば十分だと思いますが、修習前の段階でもう一歩用意するとしたら、次のような書籍が考えられます。また、予備試験に合格している人なら、予備試験の口述向けの学習がそのまま有効なように思います。
(参照:予備試験口述式試験の対策として行ったこと)
さらに、司法試験レベルの知識は十分な前提で修習のプログラムや起案が進んでいくこともあるので、民法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法については、司法試験対策時代の教材を何かしら取っておいてもよさそうです。

ただ、何度も繰り返すように、まずは白表紙をきちんと読み込むことが大事そうです。


以上をふまえて、検討しておくこととして、
○白表紙が届くまで
・司法試験対策の教材のうち、どれを捨てずにおくか
・白表紙が届いてから最低5日間くらい事前課題を検討する日を用意できるかどうか
・予備校の司法修習講座を取るかどうか(基本的には不要です)
○白表紙が届いてから引っ越すまで
・白表紙全部にくわえて、自分が持っていきたい教材はどれか
・六法の準備(二回試験で使用できるのはデイリー六法だが、起案によっては判例六法の使用が認められていることもある)

がとりあえず挙げられそうです。

4.その他


あまり類型化していませんが、その他に検討しておくことを適当に列挙しておくと、
・名刺は必須ではない。が作っておくと親戚とか友人が喜ぶ。私は、実用的な用途では友人の結婚式で交換する場面があり恥をかかずに済んだくらいしか使っていない。
作るなら修習生の名刺を作り慣れているここのサイトがよい。
・修習生の先輩(できれば同じ修習地)を探しておく。修習に関する情報は持っておけば持っておくほどよい。特に、起案に関する情報は代々有用なまとめノートがあったりなかったりするらしい。刑法各論の定義集的なやつ。
あとたぶん74期と75期の修習期間が一部かぶるので、先輩から家電とかをもらえる。
・1年間は本来あっという間だけれどぼーっと過ごすには長い期間なので、何かしら目標があると楽しいかも。「絶対任官するから全部の起案でいい評価をとる」「友だちを100人作る」「修習外の活動でめちゃくちゃ実績を残す」とか、なんでもよい。

・パソコンを持っていなければ、買うべき。少なくとも導入修習と裁判修習は個人のパソコンが使えることを前提にして進む。必要に応じてイヤホンやマイクも購入。




以上です。何か思いついたら加筆をしますし、もっと良いまとめがあればリンクを貼るので74期の方を中心に是非なにか書いてください。
実りある修習になることを願っています。
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0.投資信託の積み立て日記

2020年4月分から楽天証券で投資信託の積立を始めたので、受け渡し等がある度に記録をつけていくことにしました。


楽天証券で、楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を、毎月12,500円ずつ積み立てています。
2021年2月分からは、それぞれ25,000円ずつ積み立てるようにしています。



今回は、13回目の2021年4月分が受け渡されました。
400,000円投資している状態です。
いくらになっているでしょうか。

1.現在の様子


現在の様子です。


スクリーンショット 2021-05-28 23.45.18



積立注文でもらえる楽天ポイントと合わせると、80,221円分のプラスです。
順調に基準価額が上がっています。

NISA枠が余ってしまうので、何か買えないかと検討をし続けています。
ひとまず米国株をいくらか買っていますが、あまりうまくいっていません。
素直に今まで買っていたJ-REITを買い増せばよかったと思っています。

弁護士になってからどのような投資をするか(できるか)をそろそろ考えなければ、と毎月この記事を書くたびに思います。
今年いっぱいの宿題です。

2.楽天証券でNISA口座で投資信託の積立をする

毎度日記をつける度に説明書きを書くのもアレなので、詳しくは2020年5月分の記事にまとめてあります。
どのように買っているのか参考にしたい方はぜひ覗いてみてください。





何か動きがある度に更新をします。
投資信託が吉と出るか凶と出るか、楽しみに(できれば吉を願って)待っていてください。









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司法試験を受けられた方、ほんとうにお疲れ様でした!
そもそも受け終えるだけで大変な試験を、コロナ禍で無事戦い切った方々には頭が上がりません。
ぜひゆっくり休まれてください。


と言いつつ、企業法務系の事務所の就活はさっそく始まるので、それに向けた準備をする必要がありそうです。
特に、5月24日から個別訪問を始める一部の大手事務所の就活について今日たくさん質問を受けたので、重要そうなものの回答を箇条書きにしてみます。
ただ、自分の周りの人の経験で説明できなさそうなことはよくわからないので、サマーやウィンターに参加されていない方・社会人経験者の方にはあまり当てはまらない部分もあるかもしれません。
さらに、大手事務所を想定した回答が多いので、中小規模の事務所については大きく異なる内容のものがありそうです。
また、一就活生だった者の意見なので、あくまで気づきのきっかけにとどめて、後掲のプロの書籍等を参照してみるとよいと思います。



○個別訪問のエントリーはいつする?
今年は、司法試験の翌日の5月17日からエントリーができる事務所が多くなっているようです。
個別訪問が例年より早まっている事務所も多く、また、「個別訪問は随時受付中」と言いながら、採用候補が揃えば以降は特に受け付けない事務所が多いので、気になるところには早め(できれば17日とか18日とか、、、)に送っておくのが吉だと思います。


○個別訪問とは?
面談ないし面接です。インターンではありません。
履歴書をもとに質問をされたり、こちらが会ってみたい先生に会わせてくれたりします。
今年はオンライン(Zoom等)で行う事務所も多いようなので、環境を整えておくとよいでしょう。


○求人等の就活情報はどこで得るの?
身の回りの人がよくみていたサイトとして、アットリーガルがあります。
(参照:アットリーガル
あなたの就活やインターンの時期にあわせて、情報を探せます。
さっそく2021年司法試験受験生向けの求人が出ています。


○個別訪問は何段階かあるの?
事務所によるとしか言えませんが、よく相談を受けるような大手の事務所だと、サマーやウィンターに参加している人の場合、個別訪問へのお誘いの電話で内定をもらうことがあります。
企業の就活を想定している人だと、一次面接→二次面接→最終面接のような流れになるように考えられそうですが、そうとは限りません。


○就活に向けて何日くらい空けておけばいいの?
個別訪問のお誘いの段階で内定をもらっている場合には、こちらが受諾した時点で就活が終わります。
そのため、こちらが考えたい日数が個別訪問の日数になります。
一方で、お誘いが来ない場合については、なんともいえません。
あまり数は聞きませんが、応募をしてから一ヶ月ほど経ってから連絡が来たような話もあるようなので、そのようなことを考え出すとキリがありません。
私はとりあえず希望する事務所の個別訪問の解禁日から1週間は空けておいていました。


○学部4年で司法試験を受けたので、75期ではなく76期の修習に行く予定だけれど、今年の個別訪問に応募していいの?
よいです。そのような状況の多くの人が受験年に参加しているように見えます。
76期での採用を希望する、のような欄が応募フォームにあるでしょうし、なくとも直接伝えればよいです。


○個別訪問に向けて何か用意しておく必要があるの?
自分がどうしたいのかを明確にすることが何より大事だと思います。
面接の側面が強い個別訪問では、あなたがどのような希望を持っているのか・それが事務所に合うのかを検討されるため、自分の希望の理解が必須です。
また、お誘いの段階で内定をいただくタイプの個別訪問は、自分が選ぶ側なので、複数内定をいただいた際にどこに入所したいか考えておかないと、それぞれの事務所の手厚い勧誘でひどく悩まされることになると思います。

弁護士のキャリアプランに関しては、次の2書籍がきわめて参考になります。
いずれかだけでも斜め読みしておくとよいと思います。




○就活が不安。助けて!
Twitterで大口を叩いているタイプの人はだいたい世話好きです。
遠慮なくDMを送ってみましょう。
誠意ある質問なら必ず親身に相談に乗ってくれるはずです。
私も例外ではありません。




何か重要そうな質問があれば、適宜加筆するかもしれません。






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0.質問箱の回答

質問箱に来ていた質問に回答しています。
私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee


参照:質問箱の利用と記事募集

1.試験直前の不安について

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司法試験や予備試験短答が近づいてきており、不安になりがちな状況ですよね。
一合格者の話を読むよりも勉強に打ち込んだ方がよいと言われてしまいそうですし、私も基本的にはそう思うのですが、質問された方一人に長々とエールを送っても引かれてしまいそうなので、ブログに書くという形にしてみます。
私が受験生の立場なら、「受験前に合格者がのうのうと何を......」と思いそうなので、わざわざ書くかは迷ったのですが、ちょっとでも気が紛れるのに役立てば幸いです。






2.試験前には落ち着かなくて当然

不安を解消するような気の利いたことが言えればそれが一番よかったのかもしれませんが、私自身のことを思い出すと、平常心でいろ、と言うのは現実的ではないだろうな、と感じます。
各々の状況はあるでしょうが、少なくない時間やその他の資源を投入してきた試験が近づいている中で、緊張や不安、興奮等が盛り上がってくるのは当然のことでしょう。

それは試験前の時期だけでなく、試験本番でもそうだと思います。
平常心で受けられているつもりでも、ふとした瞬間に前に受けた科目の出来についての不安に心を支配されてしまうこともしばしばでしょう。


そのようなことから、私としては、平常心でいられる秘訣を伝えるというよりは、平常心でないことはあたり前のことなんだ、と伝えられればよいなあ、と思っています。



とはいえ、心を乱された状態でいることを認めてとにかく頑張れ、と言うのでは、あまり親切ではありません。
何か落ち着く方法を自分なりに考えてもらうのとは別に、何か助言ができそうなことがあるとすれば、最後の調整の方針に関することが挙げられるでしょうか。


試験前には、どうしても細かな知識や、今まで間違えたさまざまな内容について際限なく復習をしたくなるところです。
それ自体は間違っているとは思いませんが、何か学習の方針があるとよいのかなあ、と思います。
その際に、試験時には落ち着いていられているとは限らないことを念頭におくと、実りある学習ができるように感じます。
一例として、「試験では平常心ではないことを前提に、機械的に検討を進められる部分ができるように処理手順を見直す」というものが考えられます。

ある程度自信のある受験生でも、本番では、かなり突拍子もない上にその場ではかなりいい思いつきであるように感じてしまう(素晴らしい)思いつきに心をとらわれてしまうことが多々あるようです。
その思いつきの検討に相当な熱を注いでしまいがちですが、たいていは泥沼にハマっているだけです。
そのような不幸に見舞われないために、機械的に検討をするための処理手順(そこまでたいそうなものである必要はないと思います。自分ならいつもこう解いているな、という流れを再確認すればきっと十分です)を見直してみるとよいと思います。


このように、試験前に平常心でいられないこと自体はまったく自然で、無理に落ち着こうと焦るのではなく、そのような状態でも一定のパフォーマンスが発揮できるように一定の準備をしよう、と思い直せればよいな、と考えています。

3.試験前の思い出

いささか偉そうに話をしてしまったので、私もご多分に漏れず、平常心でいられなかった話を書いておこうと思います。
ここまでの話に増して重要ではない話なので、受験生の直前期の貴重な時間を奪うことになっていないことを願います。


予備試験(特に論文)の直前期は、緊迫感を強く感じていたことを覚えています。
私は予備試験を受けるためだけに留年をしたと言ってもよい状態にあったことから、絶対に落ちたくない、という気持ちに支配されていたと思います。
それにもかかわらず、直前の模試の結果はそこまで振るわず、どうすれば閉塞感を打開できるかを模索していたと思います。
(参考:予備試験浪人をするということ
そのようなときに思いついたのが、上記のような学習方針です。
本番もきっと完全に落ち着いた状態では受けられないだろうと考え、多くの科目について、処理手順を見直すようにしました。
これをまとめて作成したのが、直前チェック用の教材です。
(参考:試験直前チェック用の教材を用意する(司法試験・予備試験)
ここに載っている手順については、本番でも無心に進めればよい、と感じられていたおかげで、強い安心感を得られたのを覚えています。
このように書くと冷静に準備を進められていたように見えますが、予備論文前日に、地元のカフェにこもって行政法のチェック用教材をあくせく作成していたのは、今となってはよい思い出です。



逆に、司法試験の時は、かなり興奮していたことを覚えています。
模試の結果がかなり良かったこともあり、はやく司法試験を受けたいなあ、と毎日思っていました。
予備試験からの決して短くない受験時代が、司法試験の受験でついに終わるのだ、と考えると、集大成である司法試験で、満足のいく答案を書いてやるぞ、とかなり前のめりな気持ちになっていました。
司法試験が延期されていたこともあり、もちろん実施の可否や是非に関する懸念はあったものの、自分のやりたい準備は大方することができ、十分な対策もできていました。

前年に受けた予備試験とはうってかわって、満足な対策もできて、模試でも一定の成績が出せた状態となっていましたが、そのような状態にあっても、かえって平常心ではいられないことに気がつき、驚きました。
今のところは人生における重要なライフイベントである司法試験を前にして、どのような状態であれ気持ちが昂ってしまうのだなあ、という発見をしました。


そういうわけで、質問に回答すると、ちっとも平穏でいられませんでした、というのが正直なところです。
でも、それでもいいのだと思います。


このような自分の(ちっぽけな)経験を元にして、試験前に平常心でいられる人なんてあんまりいないんだぞ、と伝えられたらいいなと考えて、だらだらと書いてみました。
誰かの不安に向き合えているものであることを願いつつ、また受験生の方々を応援しつつ、今回は終わりにしようと思います。







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0.投資信託の積み立て日記

2020年4月分から楽天証券で投資信託の積立を始めたので、受け渡し等がある度に記録をつけていくことにしました。


楽天証券で、楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を、毎月12,500円ずつ積み立てています。
2021年2月分からは、それぞれ25,000円ずつ積み立てるようにしています。



今回は、12回目の2021年4月分が受け渡されました。
350,000円投資している状態です。
いくらになっているでしょうか。

1.現在の様子


現在の様子です。


スクリーンショット 2021-04-08 22.25.16



積立注文でもらえる楽天ポイントと合わせると、68,814円分のプラスです。
順調に基準価額が上がっています。

2021年3月分がうまく買えなかったので、NISA枠が無駄にならないように何かしらを買わなくては、という気持ちでいます。
J-REITを何かしら買おうと思って検討していましたが、検討している間に大きく値上がりする日を通りすぎてしまったので、ちょっともったいない気持ちになっています。
焦らず機を見て買い足していこうと思っています。


1年くらい積み立てて、リターンが20%近いので、いい気持ちです。
この調子で上がり続けるとは思いませんし、上がり続けない時にも対応できることにこそ積立投資の意義がありそうですが、それはそれとして含み益が増えていくのは嬉しいものです。

2.楽天証券でNISA口座で投資信託の積立をする

毎度日記をつける度に説明書きを書くのもアレなので、詳しくは2020年5月分の記事にまとめてあります。
どのように買っているのか参考にしたい方はぜひ覗いてみてください。





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0.質問箱の回答

質問箱に来ていた質問に回答しています。
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参照:質問箱の利用と記事募集

1.司法試験後に読んだ本でオススメのもの

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あまり読書家ではないので、そんなに幅広い本を読んでいるわけではありませんが、いくつか簡単に紹介します。
テーマはありませんでしたが、弁護士になるにあたって恥ずかしくないように、、、という意識で読んでいた本が多かったと思います。

2.他の選択科目に関する本

選択科目を選ぶ際に迷った他の科目について学んでみたいと思っていたほか、労働法と倒産法についてわかっていないと実務家として話にならないよ!とよく言われていたことから、大枠だけでも学んでおこうと考えていました。
(参考:なぜ司法試験・予備試験の選択科目として知的財産法を選んだか、オススメできるか


まず、私は有斐閣ストゥディアシリーズが大好きなので、有斐閣ストゥディアのものをいくつか読みました。
同シリーズは、初学者を念頭に、各法律の大枠を解説してくれるものです。

労働法と倒産法、環境法については、ストゥディアで読みました。
もちろん実務家としてやっていくためにはこれでは知識は足りないのですが、法律の仕組みがわからずリサーチの第一歩も踏み出せないというような状況は脱せたのではないかな、と信じています。




また、司法試験が終わった段階で興味があった租税法と国際私法については、多くの受験生がするような強度で勉強をしてみたいなと考えていました。
具体的には、租税法については入門用のテキストとして圧倒的に有名なスタンダード所得税法とスタンダード法人税法、演習書として演習ノート租税法を、国際私法については松岡先生の基本書を読みました。



この中だと、スタンダード所得税法が一番印象的なテキストでした。
基本的な枠組みの解説、ポイントの摘示、実例、応用論点等のバランスがあまりに素晴らしく、正直この本が面白かったたために租税法が面白いと感じていただけなのでは?と感じさせれました。


経済法と国際公法については、興味があったのにどういうわけか読み忘れていました。
司法修習中の宿題にしようかな、という気持ちになっています。

3.弁護士としての将来を考えるための本

私は企業法務に携わる弁護士として活躍することをずっと希望していたため、司法試験受験直後からすぐに就活がありました。
そこで、一般的な就活でいう本採用の面接に相当する個別訪問の前後には、企業法務弁護士のキャリアに関連する本についていくつか読んでいました。
また、ちょうど司法試験受験前後に関連する面白いテーマの本が発売されていたため、読みました。

まず、『世界を切り拓くビジネス・ローヤー -西村あさひ法律事務所の挑戦-』を推薦します。



企業法務とはなんぞや?というイメージが湧いてもいないような状況ではなかなか適切な振る舞いができないことも多いように思うので、著名な先生方の働きについて知るのは、有意義であったように思います。
四大法律事務所の一つである西村あさひ法律事務所の著名なパートナーの先生方が登場するので、同所のプログラムに参加する場合には、より面白く読めそうです。

また、最近話題になっていた良著として、『弁護士になった「その先」のこと。』と『新・弁護士の就職と転職――キャリアガイダンス72講』を推薦します。



この2冊は、弁護士のキャリアについて、どのような点が問題になりうるのか、自分の疑問をかなり氷解させてくれた(または、適切な形で浮かび上がらせてくれた)書籍として、かなりオススメです。
特に後者について、大規模事務所・中小規模事務所・インハウスのそれぞれに属することを考えるにあたっての材料をたくさん得られたので、勉強になりました。

4.世の風潮や自分の疑問と向き合ってみるための本

近年の反知性主義の台頭について、どのように説明ができるのかに興味をもったため、関連する書籍を読んでいました。
厳密には司法試験前に一度読んだものを読み返したものも含まれるので、司法試験後に読んだ本と言えるのかは微妙ですが、面白かったのでシェアをします。

『大衆の反逆(岩波文庫)』『「みんなの意見」は案外正しい』『専門知は、もういらないのか』『ポストトゥルース』の4冊です。




記載の順に書かれていて、それぞれの年代の「大衆」や「専門家でない人たち」がどのように位置付けられていたのか、考察することができました。
これまでの議論の蓄積を楽しむことができ、共通するテーマについて触れながらそれぞれの書籍が示唆に富む結論を提示しており、興味深く読めました。
また、これからの世界がどのように記述されていくのかにも興味が持てる点で、面白い機会でした。
たとえば、00年代を専門家への不信の時代、10年代を専門知に対する反知性主義の台頭の時代と捉えられるのに対して、20年代が正常性への復帰の時代と語られることになるのかどうか、楽しみにしながら生きていけることになります(バイデン大統領の勝利は、そのような文脈で語られることが多くあったように思います)


自分の疑問を起点に、過去の議論についてさらってみることがこれだけ面白いのか、と気付かされる経験になったので、これからも試みようと思います。

5.経済関連の本

日頃読むようなジャンル以外の本を読むことは、幅広い知識を得られることはもちろんですが、そのほかに、異なる語り方に触れられる点でいいなあと感じました。
具体的には、司法試験の学習で用いるような基本書や参考書は、網羅性や体系を重視しており、それぞれの章で一定の内容をじゅんぐりに解説していく、というような書かれ方がしています。



一方で、アメリカの経済学者が書くHarvard Business School Pressの書籍をいくつか読むと、異なる語り口になっていることに気がつきました。
序盤で特定の問いに対して一定の結論を示した上で、それ以降は関連する問題を徹底的に論証していくというような書き方がなされています。
論文ではなく一般書でそのような書かれ方をしている本をあまり読んだことがなかったように思うので、面白く感じました。

上でリンクを貼った『イノベーションのジレンマ』は、内容にも興味を持ちました。
なぜ成功していた企業が適切な判断を積み重ねていく結果として失敗に終わるのか、という直感や文理に反するように思える事態に陥るのか、ということについて、クリアに解説がなされており、爽快な読了感がありました。





書いていて面白かったので、これからもリクエスト(?)があればたまに書いてみようと思います。






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0.質問箱の回答

質問箱に来ていた質問に回答しています。
私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee


参照:質問箱の利用と記事募集

1.予備試験対策をするためにどこの予備校に入るか

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ご入学おめでとうございます!

もう一度予備試験の勉強をすることを考えることはなかなか気が重いのですが(笑)、自分がしてきたような勉強は一旦おいて、最近のトレンドをふまえて自分なりにゆるく考えてみようと思います。


考える前提として、質問者様や、予備試験の受験を考え始めた頃の自分と同様、大学生で、比較的勉強の時間の確保に融通がききやすい状態を想定します。
また、多くの人にとってはあまり現実的ではない前提な気もしますが、予算は無限で考えてみます。
(社会人の方や、予算の制約がある状態で考えるのは、万が一リクエストがあれば別途やってみることにします。)

さらに、大学1年生の時点で予備試験の受験を検討しているということなので、法科大学院への進学には一旦こだわらず、早期に予備試験に合格することを目標とすることを目標とします。
(簡潔にはなりますが、法科大学院への進学も視野に入れる場合も検討すると、自分ならひとまず大学の授業やサークル、バイト、その他課外活動に全力で打ち込みつつ、成績の状況次第で法曹コースで3年卒業を目指す、のような学生生活を送ることを考えると思います。)

2.予備試験の短期合格のメソッドが確立されつつあるらしい状況

自分が予備試験の受験を考え始めた頃と比べて、2021年現在の学習環境が大きく変わったな、と感じるのは、短期合格のメソッドが確立されつつあることだと思います。
具体的には、各種予備校は、特定の看板講師が短期合格を目標とした少人数クラスを受け持ったり、個別指導を行ったりすることで、それぞれが用意した短期合格のメソッドを確実に遂行させ、合格させる、というような内容の講座を出すようになっています。
周りにもそのような講座で結果を出した方が増えてきて、どうやらそのようなメソッドがあるらしいぞ、と感じるようになりました。


私が予備試験を初めて受験した2017年当時にもそのような講座はあったのでは?と思う方は、おそらく伊藤塾のゼミや特定の講師が担当しているクラスを想像しているのではないかと思います。
(参考:ついに始動!予備1年合格のための新カリキュラム~伊関講師が最短合格へ導く、そのノウハウを大公開~)
高い実績を誇り、定評のある伊藤塾の講座を、特定の講師の一貫した指導のもと受けることができる、というもので、最近でもよく合格した方の話を聞きます。


最近は、少人数による、手取り足取り指導する、特定の講師の一貫した指導、というような形での講座が、他予備校からも出されています。


個人的に最近一番ノリに乗っているな、と感じるのは、アガルートアカデミーのマネージメントオプションマネージメントオプションです。
自分の出身高校で最近流行っている(?)からそう感じるだけなのかもしれませんが、学部3年までの合格者がとにかく多いのが特徴であるように感じます。
毎回講師が異なることがありますが、アガルートの一流講師陣による個別指導を受けることができ、サポートが他の予備校と比べて圧倒的に手厚いのが特徴だと思います。
そして、個別指導の前提として視聴することになる講義も、アガルートの定評ある総合講義や重要問題習得講座等です。
このように、定評ある講義を聞きながら、その進捗を管理してもらい、一流講師による実力診断やフォローもなされることによって、予備試験の短期合格が可能となるという仕組みのようです。
もし私が再び予備試験を受けるとしたら、アガルートのマネオプを利用すると思います。
(参考:司法試験|予備試験1年合格カリキュラム|マネージメントオプション )


その他、最近話題になったものとしては、LECの田中先生のクラスが挙げられるでしょうか。
予備試験に上位合格している田中先生が全編監修しているテキストを用いた講義がなされています。
他予備校のカリスマ講師と呼ばれる先生方が、旧司出身だったりロースクール卒であったりする中、予備試験に上位合格している先生の経歴は、注目すべきものであるように感じます。
1期生から複数人の予備試験1年合格者を輩出しており、短期合格のメソッドも確立されているのでは?と感じさせられます。
(参考:予備試験 1年合格専用コース


このように、短期合格のメソッドが確立しているのでは?と思わされるようなさまざまな予備校の講座があるので、自分ならこれらの中から1つを選んで受講すると思います。

3.予備試験・司法試験に挑戦することを決心する

とはいえ、ここに挙げたような講座はいずれもかなり高額であるほか、スケジュールもかなり濃密です。
大学生活の少なくとも1年を捧げることになりうると思いますが、そのことを決心するのは簡単ではないように思います。
また、易しいとは言い難い試験の勉強の中で、モチベーションを高く保つのも、時に難しいことがあるでしょう。


そのため、まずは将来どのようになりたいのか考えてみることに時間を費やすのも悪くないと思います。
大学の講義や、その他課外活動は、自分がどのようなことに心を動かされるのかを見出すのに適している(そして、それら自体かなり豊かな経験であることが多い)ためです。
(参考:法曹志望を考えている人がやってみるとよさそうなこと)


質問者様が実りある大学生活を送られることを、願ってやみません。






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0.質問箱の回答

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参照:質問箱の利用と記事募集


今回は、憲法・行政法関連の質問がいくつか来ていたため、まとめて回答してみたいと思います。

1.審査基準へのあてはめ

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審査基準をうまく立てるまでの論述に注目されがちですが、問題固有の事情に対応した論述をするにあたって重要なのは、むしろその先ですよね。
そのくせ、その書き方については意外と適当に教わるので、悩むのもよくわかります。


憲法論文の考え方・書き方について、定評のある本としては、小山先生の「『憲法上の権利』の作法」が挙げられるでしょうか。
いわゆる三段階審査についてを中心に、審査基準論についてが書かれているので、さまざまな悩みが解決するものと思います。



けっして易しくはないため、初学者にはオススメしづらいですが、学習が進んでいてもう一歩憲法を得意になりたい!という時にはちょうどいい参考書だと思います。

2.憲法・行政法の条文・誘導文の読み込みのタイミング

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公法系は読むものが多いので大変ですが、まずは頭から問題文を読んでいくことにして、その後に誘導文や条文を読むようにしていたと思います。
特に、行政法は、大体の年度で誘導文がついているので、迷いどころですよね。
行政法の問題文は、事案についての概要を書いた問題文、解答内容を誘導する誘導文、事案で登場する条文の3つからなります。
問題文を読まないと誘導文が読めないので、まずは問題文をざっと読み、そのあとに問題文や条文を適宜参照しながら誘導文を読むようにしていました。


どのように進めるかは、もっぱら時間制限の制約の中で決まってくるものだと思うので、以前書いた記事も合わせて参照しながら、考えてみると良いと思います。
(参考:論文の問題の読み方・答案構成のスケジュール(予備試験・司法試験))


3.公法系

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憲法については、考査委員だった宍戸先生の研究分野や著作の関係から、情報法関連か、私人間効チックな問題が出るかな、と張っていました。
具体的には、Google検索関連の最高裁判例や、その判断と関連した判断基準を用いていた表現の自由関連の判例についてが出るかな、と思っていました。
司法試験ではなく、去年の予備試験で出てしまったので、読みが外れた〜〜と思っていました。
あとは、信教の自由・財産権・生存権のような固有の審査がある分野についても、最近出題がなく、かつ自分が用意していたので、これを予想としておきます。


行政法については特にありません。
そろそろネタ切れにならないんでしょうか。





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0.質問箱の回答

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参照:質問箱の利用と記事募集

1.論文の問題の読み方・答案構成

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この二つの質問が来ていたので,私の問題文の分析・答案構成のスケジュールについて触れながら,回答してみたいと思います。
先に結論を申し上げると,細かな工夫については合格者で十人十色でしょうが,おそらく司法試験合格者の方で「問題文を2回読む必要はない」「設問を全て読んで(検討して)から解き始めるべき」ということに異論がある方はほぼいないと思うので,この結論を念頭に置きながら,読んでみてください。

2.私の論文を書く前までのスケジュール

司法試験論文の試験時間は1科目2時間,予備試験論文の試験時間は基本は1科目70分です。
私は,解答を作成するのに1ページ13~15分を要しました。
私の文字の大きさや解答の質感(?)では,司法試験論文であれば6ページ,予備試験論文であれば3ページ強書くと合格答案に十分な分量になっていました。
そこで,1科目にかけられる検討時間は,司法試験論文では1科目30~40分,予備試験論文であれば20分程度でした。
このように,(いつもこのように厳密に計算できるわけではありませんが)検討時間として許容される時間がどれほどか,まずは計算してみると良いと思います。


私は,この検討時間のうち,問題文を読むのにかけられる時間を,全体の2~3割にするとちょうどよいように感じていました。
これ以上長くしてもどうせ答案構成の度に問題文を振り返るのであまり効果がなく,これより短くすると事実誤認等に答案構成作成中に気がついてかえって時間がかかるようなことがあったためです。


そのため,私の試験時間のスケジュールは,
司法試験論文:10分弱で問題文を通読する→20分強で答案構成を作成する→90分で解答を作成する
予備試験論文:5分程度で問題文を通読する→15分程度で答案構成を作成する→(ここまでを各科目について繰り返す)→1科目50分程度で解答を作成する
というようになっていました。

3.問題文の読み方の工夫

そこそこの分量のある問題文を5分や10分で読むのは大変です。
ましてや2回も読むとなるとかなり時間がかかってしまいます。先ほどの計算から許された時間におさめるのはとても困難になります。
このような理由から,問題文を2回通読するのは,充実した記述をすることが現実的でなくなってしまうため,あまり得策ではないように思います。
2回通読してもどうせ細かな事情は読み返すことになるので,2回目の通読はあまり効果的ではないとも考えます。


そこで,1回の通読で問題文の事情をおおまかに把握することを目指すことになります。
1回だけしか読まないとなると,どうやっても事実誤認や事情の把握忘れは起こってしまうものですが,これらをできるだけ減らすために,工夫をすることは考えられます。


その工夫の一つとして,特定の要素を読み飛ばさないように印をつけながら読んでいくことがあります。
具体的には,事実誤認の温床になる要素である,いつ,誰が,何をした,という要素に着目していくのです。
細かな修飾語等は読み飛ばしても,決定的な事実誤認にはならないように思えたため,この3点をおさえておくようにしていました。


印のつけ方として,マーカーで色分けをするという方がそこそこいるように思います。
私は,ペンを持ち替えるのがおっくうだったため,赤ペンで丸や四角で囲って強調するようにしていました。


余談ですが,私は問題固有の略記(以下,「●」という。のようなもの)の定義を忘れて何度も読み返すことが多くありました。
そこで,このような略記にも強調を施していました。


また,まず設問を読んでから事案を読み始めると,それぞれの事情がどのような考慮要素に対応するのかが見えやすかったほか,どのような事情が来そうか想像しながら読むことができたため,予測可能性が高く,読みやすかったように思います。
元も子もないことを申し上げると,法律知識がついていくにつれて,この予測可能性が高まっていったため,問題文を読み進めるスピードも上がりました。
問題文を読む工夫をするのはもちろんのこと,知識のインプットも怠らずに進めると,事案の把握がうまくできるようになっていくように感じます。



4.設問・科目ごとに書くか,全体の検討を終えたのちに書くか

司法試験論文を解くにあたって,設問ごとに検討しては書き,検討しては書き,を繰り返すのは,基本的には悪手だと考えています。
前もって全体の解答のバランスについて考えなくては,それぞれの設問に得点比率が明示されている場合にはそれに対応した解答になるかが不明で,明示されていない場合には問題全体でどこで集中的に分量を書くべきかがわからないからです。
まず設問全体について検討し,おおまかな答案構成を作成した上で,一気に解答を作成していくと良いと思います。
「そこに配点が多く割り振られていたのか!」と試験後に気づいた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが,先に全体の検討をするようにしてから,そのようなことが圧倒的に減ったため,オススメできると思います。
この点について,司法試験の合格者で異論のある方は多くないのではないかなあと思います。


質問にもあった通り,この方法を採用するまでは「途中で問題文や答案の流れを忘れてしまうのでは?」と思っていました。
が,一度真剣に検討したことは,数十分やそこらでまったくわからなくなってしまうものではありません。
そのようなことがほとんど問題にならず,試験を受けられていました。


一方,予備試験論文については,途中で科目をまたぐか否かは,賛否両論あったように思います。
ある科目を検討したあとに他の科目の検討をすると,頭の使い方が違う(?)ため,混乱してしまう,と言うような理由で反論する方がいたように思います。
私は,複数科目を1つの時間枠で解く予備試験論文でこそ,どの科目のどの設問でどれくらい時間を使いそうかをあらかじめ把握をすることが重要である,と考えていたため,全科目について答案構成を作った上で,全科目の答案を連続して作成する,というスタイルを基本にしていました。
(と言いつつも,私は合格した年の予備論文では,民事訴訟法がまったくわからなかったため,民商民訴の問題文を読む→民商の答案構成→民商の解答作成→残りの時間で民事訴訟法をなんとかする,という進め方をしました。ある程度柔軟に考えておくと良いように思います。)


検討していたことを忘れてしまうのでは?ということは,予備論文でも問題になりそうですが,私は比較的詳細な答案構成をするようにしていたので,そこまで困ることなく解答を作成できていました。
(参考:答案構成をどれくらい書く?(予備試験本番の答案構成)


このように,いろいろ考えながら,自分なりのスタイルが見つけられると良いと思います。






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