0.質問箱の回答
質問箱に来ていた質問に回答しています。私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee
参照:質問箱の利用と記事募集
1.民法が得意だと予備試験に得意になると言えるか
面白い質問です。
質問したくなる気持ちはなんとなく分かります。
実際には、民法の全科目に占める割合は、予備試験の短答においては配点ベースで全体の10%強、論文では全体の10%しかありません。
そこで、民法の得点が高いことが即座に予備試験の短答・論文の合格を意味しないことは明らかではあります。
民事実務基礎科目を含めても、高く見積もっても論文の20%程度です。
サンプルは少ないものの、ぶんせき本に付属する合格者のランク表を見ても、合格者が民法に強いと言えるかどうかはなんとも言えません。
(あえて言うならば、合格者は実務基礎科目の成績がいい傾向にあるな、と素人目には感じました。刑事実務基礎科目対策についてこちら参照)
一方で、民法の科目の特質から、民法がある程度得意になった人が論文式試験に強い状態にあることは、ままあるのかなあとも思います。
民法は、条文が豊富であることや、要件事実的発想が重要であると言われがちである(実際そうだと私も思います)ことから、条文から要件を抽出して、事案を解決する視点の重要性が理解されやすい科目だと感じます。
条文から要件を抽出して、事案を解決する視点は、実際にはどの科目でも必須のものなので、この視点を持っている受験生は、論文答案を作成する上での重要な前提を理解していることになるはずです。
そういうわけで、そのような視点の重要性を念頭に置きながら民法を学習し、民法が得意になった人は、論文答案を書く上での基礎ができているため、論文式試験にも対応しやすい、ということはありえるのではないか、と考えています。
一般に「民法を制する者は予備試験を制す」というようなフレーズは、以上のような意味で使われていることが多いように思います。
そこで、現時点で民法の論文がうまく書けないために過剰に不安になる必要はないし、他科目との学習のバランスを失するほど民法を重点的の学習をする必要もないはずです。
上記のような視点を持ちながら、民法のみならず他科目の学習をしていくと、見通しが良いのではないかなあと感じています。
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