ABCにっき

元司法試験受験生、現在LLM準備中の者のブログです。R1予備試験、R2司法試験、弁護士。(一部PRを含みます)

2021年03月

0.質問箱の回答

質問箱に来ていた質問に回答しています。
私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
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参照:質問箱の利用と記事募集

1.司法試験後に読んだ本でオススメのもの

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あまり読書家ではないので、そんなに幅広い本を読んでいるわけではありませんが、いくつか簡単に紹介します。
テーマはありませんでしたが、弁護士になるにあたって恥ずかしくないように、、、という意識で読んでいた本が多かったと思います。

2.他の選択科目に関する本

選択科目を選ぶ際に迷った他の科目について学んでみたいと思っていたほか、労働法と倒産法についてわかっていないと実務家として話にならないよ!とよく言われていたことから、大枠だけでも学んでおこうと考えていました。
(参考:なぜ司法試験・予備試験の選択科目として知的財産法を選んだか、オススメできるか


まず、私は有斐閣ストゥディアシリーズが大好きなので、有斐閣ストゥディアのものをいくつか読みました。
同シリーズは、初学者を念頭に、各法律の大枠を解説してくれるものです。

労働法と倒産法、環境法については、ストゥディアで読みました。
もちろん実務家としてやっていくためにはこれでは知識は足りないのですが、法律の仕組みがわからずリサーチの第一歩も踏み出せないというような状況は脱せたのではないかな、と信じています。




また、司法試験が終わった段階で興味があった租税法と国際私法については、多くの受験生がするような強度で勉強をしてみたいなと考えていました。
具体的には、租税法については入門用のテキストとして圧倒的に有名なスタンダード所得税法とスタンダード法人税法、演習書として演習ノート租税法を、国際私法については松岡先生の基本書を読みました。



この中だと、スタンダード所得税法が一番印象的なテキストでした。
基本的な枠組みの解説、ポイントの摘示、実例、応用論点等のバランスがあまりに素晴らしく、正直この本が面白かったたために租税法が面白いと感じていただけなのでは?と感じさせれました。


経済法と国際公法については、興味があったのにどういうわけか読み忘れていました。
司法修習中の宿題にしようかな、という気持ちになっています。

3.弁護士としての将来を考えるための本

私は企業法務に携わる弁護士として活躍することをずっと希望していたため、司法試験受験直後からすぐに就活がありました。
そこで、一般的な就活でいう本採用の面接に相当する個別訪問の前後には、企業法務弁護士のキャリアに関連する本についていくつか読んでいました。
また、ちょうど司法試験受験前後に関連する面白いテーマの本が発売されていたため、読みました。

まず、『世界を切り拓くビジネス・ローヤー -西村あさひ法律事務所の挑戦-』を推薦します。



企業法務とはなんぞや?というイメージが湧いてもいないような状況ではなかなか適切な振る舞いができないことも多いように思うので、著名な先生方の働きについて知るのは、有意義であったように思います。
四大法律事務所の一つである西村あさひ法律事務所の著名なパートナーの先生方が登場するので、同所のプログラムに参加する場合には、より面白く読めそうです。

また、最近話題になっていた良著として、『弁護士になった「その先」のこと。』と『新・弁護士の就職と転職――キャリアガイダンス72講』を推薦します。



この2冊は、弁護士のキャリアについて、どのような点が問題になりうるのか、自分の疑問をかなり氷解させてくれた(または、適切な形で浮かび上がらせてくれた)書籍として、かなりオススメです。
特に後者について、大規模事務所・中小規模事務所・インハウスのそれぞれに属することを考えるにあたっての材料をたくさん得られたので、勉強になりました。

4.世の風潮や自分の疑問と向き合ってみるための本

近年の反知性主義の台頭について、どのように説明ができるのかに興味をもったため、関連する書籍を読んでいました。
厳密には司法試験前に一度読んだものを読み返したものも含まれるので、司法試験後に読んだ本と言えるのかは微妙ですが、面白かったのでシェアをします。

『大衆の反逆(岩波文庫)』『「みんなの意見」は案外正しい』『専門知は、もういらないのか』『ポストトゥルース』の4冊です。




記載の順に書かれていて、それぞれの年代の「大衆」や「専門家でない人たち」がどのように位置付けられていたのか、考察することができました。
これまでの議論の蓄積を楽しむことができ、共通するテーマについて触れながらそれぞれの書籍が示唆に富む結論を提示しており、興味深く読めました。
また、これからの世界がどのように記述されていくのかにも興味が持てる点で、面白い機会でした。
たとえば、00年代を専門家への不信の時代、10年代を専門知に対する反知性主義の台頭の時代と捉えられるのに対して、20年代が正常性への復帰の時代と語られることになるのかどうか、楽しみにしながら生きていけることになります(バイデン大統領の勝利は、そのような文脈で語られることが多くあったように思います)


自分の疑問を起点に、過去の議論についてさらってみることがこれだけ面白いのか、と気付かされる経験になったので、これからも試みようと思います。

5.経済関連の本

日頃読むようなジャンル以外の本を読むことは、幅広い知識を得られることはもちろんですが、そのほかに、異なる語り方に触れられる点でいいなあと感じました。
具体的には、司法試験の学習で用いるような基本書や参考書は、網羅性や体系を重視しており、それぞれの章で一定の内容をじゅんぐりに解説していく、というような書かれ方がしています。



一方で、アメリカの経済学者が書くHarvard Business School Pressの書籍をいくつか読むと、異なる語り口になっていることに気がつきました。
序盤で特定の問いに対して一定の結論を示した上で、それ以降は関連する問題を徹底的に論証していくというような書き方がなされています。
論文ではなく一般書でそのような書かれ方をしている本をあまり読んだことがなかったように思うので、面白く感じました。

上でリンクを貼った『イノベーションのジレンマ』は、内容にも興味を持ちました。
なぜ成功していた企業が適切な判断を積み重ねていく結果として失敗に終わるのか、という直感や文理に反するように思える事態に陥るのか、ということについて、クリアに解説がなされており、爽快な読了感がありました。





書いていて面白かったので、これからもリクエスト(?)があればたまに書いてみようと思います。






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1.予備試験対策をするためにどこの予備校に入るか

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ご入学おめでとうございます!

もう一度予備試験の勉強をすることを考えることはなかなか気が重いのですが(笑)、自分がしてきたような勉強は一旦おいて、最近のトレンドをふまえて自分なりにゆるく考えてみようと思います。


考える前提として、質問者様や、予備試験の受験を考え始めた頃の自分と同様、大学生で、比較的勉強の時間の確保に融通がききやすい状態を想定します。
また、多くの人にとってはあまり現実的ではない前提な気もしますが、予算は無限で考えてみます。
(社会人の方や、予算の制約がある状態で考えるのは、万が一リクエストがあれば別途やってみることにします。)

さらに、大学1年生の時点で予備試験の受験を検討しているということなので、法科大学院への進学には一旦こだわらず、早期に予備試験に合格することを目標とすることを目標とします。
(簡潔にはなりますが、法科大学院への進学も視野に入れる場合も検討すると、自分ならひとまず大学の授業やサークル、バイト、その他課外活動に全力で打ち込みつつ、成績の状況次第で法曹コースで3年卒業を目指す、のような学生生活を送ることを考えると思います。)

2.予備試験の短期合格のメソッドが確立されつつあるらしい状況

自分が予備試験の受験を考え始めた頃と比べて、2021年現在の学習環境が大きく変わったな、と感じるのは、短期合格のメソッドが確立されつつあることだと思います。
具体的には、各種予備校は、特定の看板講師が短期合格を目標とした少人数クラスを受け持ったり、個別指導を行ったりすることで、それぞれが用意した短期合格のメソッドを確実に遂行させ、合格させる、というような内容の講座を出すようになっています。
周りにもそのような講座で結果を出した方が増えてきて、どうやらそのようなメソッドがあるらしいぞ、と感じるようになりました。


私が予備試験を初めて受験した2017年当時にもそのような講座はあったのでは?と思う方は、おそらく伊藤塾のゼミや特定の講師が担当しているクラスを想像しているのではないかと思います。
(参考:ついに始動!予備1年合格のための新カリキュラム~伊関講師が最短合格へ導く、そのノウハウを大公開~)
高い実績を誇り、定評のある伊藤塾の講座を、特定の講師の一貫した指導のもと受けることができる、というもので、最近でもよく合格した方の話を聞きます。


最近は、少人数による、手取り足取り指導する、特定の講師の一貫した指導、というような形での講座が、他予備校からも出されています。


個人的に最近一番ノリに乗っているな、と感じるのは、アガルートアカデミーのマネージメントオプションマネージメントオプションです。
自分の出身高校で最近流行っている(?)からそう感じるだけなのかもしれませんが、学部3年までの合格者がとにかく多いのが特徴であるように感じます。
毎回講師が異なることがありますが、アガルートの一流講師陣による個別指導を受けることができ、サポートが他の予備校と比べて圧倒的に手厚いのが特徴だと思います。
そして、個別指導の前提として視聴することになる講義も、アガルートの定評ある総合講義や重要問題習得講座等です。
このように、定評ある講義を聞きながら、その進捗を管理してもらい、一流講師による実力診断やフォローもなされることによって、予備試験の短期合格が可能となるという仕組みのようです。
もし私が再び予備試験を受けるとしたら、アガルートのマネオプを利用すると思います。
(参考:司法試験|予備試験1年合格カリキュラム|マネージメントオプション )


その他、最近話題になったものとしては、LECの田中先生のクラスが挙げられるでしょうか。
予備試験に上位合格している田中先生が全編監修しているテキストを用いた講義がなされています。
他予備校のカリスマ講師と呼ばれる先生方が、旧司出身だったりロースクール卒であったりする中、予備試験に上位合格している先生の経歴は、注目すべきものであるように感じます。
1期生から複数人の予備試験1年合格者を輩出しており、短期合格のメソッドも確立されているのでは?と感じさせられます。
(参考:予備試験 1年合格専用コース


このように、短期合格のメソッドが確立しているのでは?と思わされるようなさまざまな予備校の講座があるので、自分ならこれらの中から1つを選んで受講すると思います。

3.予備試験・司法試験に挑戦することを決心する

とはいえ、ここに挙げたような講座はいずれもかなり高額であるほか、スケジュールもかなり濃密です。
大学生活の少なくとも1年を捧げることになりうると思いますが、そのことを決心するのは簡単ではないように思います。
また、易しいとは言い難い試験の勉強の中で、モチベーションを高く保つのも、時に難しいことがあるでしょう。


そのため、まずは将来どのようになりたいのか考えてみることに時間を費やすのも悪くないと思います。
大学の講義や、その他課外活動は、自分がどのようなことに心を動かされるのかを見出すのに適している(そして、それら自体かなり豊かな経験であることが多い)ためです。
(参考:法曹志望を考えている人がやってみるとよさそうなこと)


質問者様が実りある大学生活を送られることを、願ってやみません。


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今回は、憲法・行政法関連の質問がいくつか来ていたため、まとめて回答してみたいと思います。

1.審査基準へのあてはめ

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審査基準をうまく立てるまでの論述に注目されがちですが、問題固有の事情に対応した論述をするにあたって重要なのは、むしろその先ですよね。
そのくせ、その書き方については意外と適当に教わるので、悩むのもよくわかります。


憲法論文の考え方・書き方について、定評のある本としては、小山先生の「『憲法上の権利』の作法」が挙げられるでしょうか。
いわゆる三段階審査についてを中心に、審査基準論についてが書かれているので、さまざまな悩みが解決するものと思います。



けっして易しくはないため、初学者にはオススメしづらいですが、学習が進んでいてもう一歩憲法を得意になりたい!という時にはちょうどいい参考書だと思います。

2.憲法・行政法の条文・誘導文の読み込みのタイミング

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公法系は読むものが多いので大変ですが、まずは頭から問題文を読んでいくことにして、その後に誘導文や条文を読むようにしていたと思います。
特に、行政法は、大体の年度で誘導文がついているので、迷いどころですよね。
行政法の問題文は、事案についての概要を書いた問題文、解答内容を誘導する誘導文、事案で登場する条文の3つからなります。
問題文を読まないと誘導文が読めないので、まずは問題文をざっと読み、そのあとに問題文や条文を適宜参照しながら誘導文を読むようにしていました。


どのように進めるかは、もっぱら時間制限の制約の中で決まってくるものだと思うので、以前書いた記事も合わせて参照しながら、考えてみると良いと思います。
(参考:論文の問題の読み方・答案構成のスケジュール(予備試験・司法試験))


3.公法系

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憲法については、考査委員だった宍戸先生の研究分野や著作の関係から、情報法関連か、私人間効チックな問題が出るかな、と張っていました。
具体的には、Google検索関連の最高裁判例や、その判断と関連した判断基準を用いていた表現の自由関連の判例についてが出るかな、と思っていました。
司法試験ではなく、去年の予備試験で出てしまったので、読みが外れた〜〜と思っていました。
あとは、信教の自由・財産権・生存権のような固有の審査がある分野についても、最近出題がなく、かつ自分が用意していたので、これを予想としておきます。


行政法については特にありません。
そろそろネタ切れにならないんでしょうか。





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1.論文の問題の読み方・答案構成

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この二つの質問が来ていたので,私の問題文の分析・答案構成のスケジュールについて触れながら,回答してみたいと思います。
先に結論を申し上げると,細かな工夫については合格者で十人十色でしょうが,おそらく司法試験合格者の方で「問題文を2回読む必要はない」「設問を全て読んで(検討して)から解き始めるべき」ということに異論がある方はほぼいないと思うので,この結論を念頭に置きながら,読んでみてください。

2.私の論文を書く前までのスケジュール

司法試験論文の試験時間は1科目2時間,予備試験論文の試験時間は基本は1科目70分です。
私は,解答を作成するのに1ページ13~15分を要しました。
私の文字の大きさや解答の質感(?)では,司法試験論文であれば6ページ,予備試験論文であれば3ページ強書くと合格答案に十分な分量になっていました。
そこで,1科目にかけられる検討時間は,司法試験論文では1科目30~40分,予備試験論文であれば20分程度でした。
このように,(いつもこのように厳密に計算できるわけではありませんが)検討時間として許容される時間がどれほどか,まずは計算してみると良いと思います。


私は,この検討時間のうち,問題文を読むのにかけられる時間を,全体の2~3割にするとちょうどよいように感じていました。
これ以上長くしてもどうせ答案構成の度に問題文を振り返るのであまり効果がなく,これより短くすると事実誤認等に答案構成作成中に気がついてかえって時間がかかるようなことがあったためです。


そのため,私の試験時間のスケジュールは,
司法試験論文:10分弱で問題文を通読する→20分強で答案構成を作成する→90分で解答を作成する
予備試験論文:5分程度で問題文を通読する→15分程度で答案構成を作成する→(ここまでを各科目について繰り返す)→1科目50分程度で解答を作成する
というようになっていました。

3.問題文の読み方の工夫

そこそこの分量のある問題文を5分や10分で読むのは大変です。
ましてや2回も読むとなるとかなり時間がかかってしまいます。先ほどの計算から許された時間におさめるのはとても困難になります。
このような理由から,問題文を2回通読するのは,充実した記述をすることが現実的でなくなってしまうため,あまり得策ではないように思います。
2回通読してもどうせ細かな事情は読み返すことになるので,2回目の通読はあまり効果的ではないとも考えます。


そこで,1回の通読で問題文の事情をおおまかに把握することを目指すことになります。
1回だけしか読まないとなると,どうやっても事実誤認や事情の把握忘れは起こってしまうものですが,これらをできるだけ減らすために,工夫をすることは考えられます。


その工夫の一つとして,特定の要素を読み飛ばさないように印をつけながら読んでいくことがあります。
具体的には,事実誤認の温床になる要素である,いつ,誰が,何をした,という要素に着目していくのです。
細かな修飾語等は読み飛ばしても,決定的な事実誤認にはならないように思えたため,この3点をおさえておくようにしていました。


印のつけ方として,マーカーで色分けをするという方がそこそこいるように思います。
私は,ペンを持ち替えるのがおっくうだったため,赤ペンで丸や四角で囲って強調するようにしていました。


余談ですが,私は問題固有の略記(以下,「●」という。のようなもの)の定義を忘れて何度も読み返すことが多くありました。
そこで,このような略記にも強調を施していました。


また,まず設問を読んでから事案を読み始めると,それぞれの事情がどのような考慮要素に対応するのかが見えやすかったほか,どのような事情が来そうか想像しながら読むことができたため,予測可能性が高く,読みやすかったように思います。
元も子もないことを申し上げると,法律知識がついていくにつれて,この予測可能性が高まっていったため,問題文を読み進めるスピードも上がりました。
問題文を読む工夫をするのはもちろんのこと,知識のインプットも怠らずに進めると,事案の把握がうまくできるようになっていくように感じます。



4.設問・科目ごとに書くか,全体の検討を終えたのちに書くか

司法試験論文を解くにあたって,設問ごとに検討しては書き,検討しては書き,を繰り返すのは,基本的には悪手だと考えています。
前もって全体の解答のバランスについて考えなくては,それぞれの設問に得点比率が明示されている場合にはそれに対応した解答になるかが不明で,明示されていない場合には問題全体でどこで集中的に分量を書くべきかがわからないからです。
まず設問全体について検討し,おおまかな答案構成を作成した上で,一気に解答を作成していくと良いと思います。
「そこに配点が多く割り振られていたのか!」と試験後に気づいた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが,先に全体の検討をするようにしてから,そのようなことが圧倒的に減ったため,オススメできると思います。
この点について,司法試験の合格者で異論のある方は多くないのではないかなあと思います。


質問にもあった通り,この方法を採用するまでは「途中で問題文や答案の流れを忘れてしまうのでは?」と思っていました。
が,一度真剣に検討したことは,数十分やそこらでまったくわからなくなってしまうものではありません。
そのようなことがほとんど問題にならず,試験を受けられていました。


一方,予備試験論文については,途中で科目をまたぐか否かは,賛否両論あったように思います。
ある科目を検討したあとに他の科目の検討をすると,頭の使い方が違う(?)ため,混乱してしまう,と言うような理由で反論する方がいたように思います。
私は,複数科目を1つの時間枠で解く予備試験論文でこそ,どの科目のどの設問でどれくらい時間を使いそうかをあらかじめ把握をすることが重要である,と考えていたため,全科目について答案構成を作った上で,全科目の答案を連続して作成する,というスタイルを基本にしていました。
(と言いつつも,私は合格した年の予備論文では,民事訴訟法がまったくわからなかったため,民商民訴の問題文を読む→民商の答案構成→民商の解答作成→残りの時間で民事訴訟法をなんとかする,という進め方をしました。ある程度柔軟に考えておくと良いように思います。)


検討していたことを忘れてしまうのでは?ということは,予備論文でも問題になりそうですが,私は比較的詳細な答案構成をするようにしていたので,そこまで困ることなく解答を作成できていました。
(参考:答案構成をどれくらい書く?(予備試験本番の答案構成)


このように,いろいろ考えながら,自分なりのスタイルが見つけられると良いと思います。






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1.短答対策に暗記アプリを用いる

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記事をよく見てくださっている......!
ありがとうございます。
(参考:司法試験当日の持ち物リスト(メモ)

短答対策に暗記アプリを使っていたので、少し紹介しようと思います。

2.暗記アプリを用いるに至った経緯

そもそも、短答対策に暗記アプリを用いることにしたのは、短答で正しい選択肢を選ぶには、正確で分野横断的な知識があると便利だと感じたからです。
短答対策に過去問を解いていくのは有用ですが、肢別本ベースで10,000肢近い過去問の各肢の結論を全て覚えていくのは現実的でないと考えました。
そこで、「このような知識があれば複数の選択肢の正誤が判定できる」というような知識をインプットすることにしました。


具体的には、民法短答で「〜の場合に、善良な管理者としての責任を負う。」というような選択肢があるとき、もし同選択肢が誤っているとすれば、自己の財産におけるのと同一の注意義務で足りる場合であったからでしょう。
だから、自己の財産におけるのと同一の注意義務で足りる場合が全て頭に入っていれば、この手の問題で間違えることはありません。
しかし、そのような場合に関する条文は、民法上まとまった場所には規定されていません。
それゆえ、分野ごとに問題が並んでいるような問題集を用いると、あちらこちらで同様の問われ方がされるにもかかわらず、自己の財産におけるのと同一の注意義務で足りる場合を網羅的に把握するのは困難です。
そこで、そのような場合をまとめておいて、インプットしておくことが有用だと考えました。
分野横断的な知識があると便利というのは、たとえばこういうことです。

そのほかにも、単純にいくつかの正確に覚えるべき事項がある場合にも、丸暗記は便利です。
たとえば、法定の委任の終了事由を正しく挙げられますか?
私は物覚えが悪かったので、暗記カードを用いて正確に暗記することにしました。

3.暗記アプリを使う

紙で暗記カードを作ってもよかったのですが、もともとあまり荷物を増やすのは好きではなかったので、
なんとかiPhoneやiPadで学習ができないか模索していました。
(参考:司法試験・予備試験とiPad活用術)


そこで思いついたのが、暗記カードアプリでした。
暗記アプリを用いれば、そこそこにかさばる暗記カードを持ち歩く必要がなく、iPhoneやiPadがあればどこでも勉強ができるためです。


ここでようやく本題に戻ると、このように各科目について暗記カードを作り、適宜参照するようにしていました。

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問題文や解答をあまり長くしてしまうと復習の際にペースが落ちてしまうので、画像にあるような問題くらいの長さにしていました。


なお、今記事を書くために見ていてはっきりと知ったのですが、私が使っていたAnkiAppといわゆるAnkiは異なるらしいです。
また、AnkiAppの方が後に出たもので、Anki側はAnkiAppをくれぐれも利用しないでくれ、という内容のことを示していました。
(参考:AnkiApp is not part of the Anki ecosystem)


そういうわけで、normalかcloseか、という問いには答えられませんが、画像をもって疑問に答えられて入れば幸いです。


↓たぶんこちらがAnkiです、お間違えなきよう、、、







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