0.短答後の論文に向けた勉強計画
予備試験短答式試験おつかれさまでした。今年は試験の延期もあり、学習計画自体や合格ラインの変動もありそうで、受験がとにかく難しそうな年です。
そんな中で論文式試験に向けて準備をしようと考えている方向けに、私が予備試験に最終合格した年の勉強計画を残しておくことにしました。
参考になるかは怪しいですが、時期別・教材別・採用しなかった教材とその理由について書いておきます。
参照;予備試験浪人をするということ
1.前提
前提として、私が合格した2019年のスケジュールは、このようになっていました。短答本番:5/19
伊藤塾全国公開論文模試:6/22,23(私が受験した回)
辰已論文公開模試:6/29,30(私が受験した回)
論文本番:7/14,15
短答から論文までの間に、勉強ができる日が55日間ありました。
今年は短答と論文の間に68日間あるので、その差分の13日間が空いていることには留意が必要です。
2.時期別の勉強計画
★第1週(5/20-5/28頃)とにかく短答向けのインプットによって忘れがちになってしまった論証を思い出す時期。
また、論文向けの典型的な処理も忘れてしまったため、旧司の問題を回した(私は論マスや重問を当時使っていなかったので、論文向けの周回教材に対応すると思います)。
行政法の論文に課題感を感じていたため、えんしゅう本を使うことを決意。
また、スタ論(辰已の答練)の復習や、過去問の復習も進めたかったので、この時期からスタート。
以下1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成15問
・スタ論の復習3問
・予備過去問の答案構成2問
・えんしゅう本 行政法4問
・民事裁判実務の基礎 50ページ程度
★第2週(5/29-6/2頃)
辰已の予備試験向けの答練、論文直前答練がはじまったので、答練の有無でノルマを少し変えた。
論証集や旧司を回し出して、論文向けの頭になってきたため、答練がない日は新しくインプットをするようにした。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成15問
・スタ論の復習3問
・予備過去問の答案構成2問
答練がある日
→答練を受ける
答練がない日
→刑事実務基礎の定石や辰已の民実赤本
★第3週(6/3-6/9頃)
概ね同様に進めていたが、百選知識がなくうまく答練が書けないことがあり、百選知識を拡充することにした。
また、この週で辰已の論文直前答練は終了。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成15問
・スタ論の復習3問
・予備過去問の答案構成2問
答練がある日
→答練を受ける
答練がない日
→刑事実務基礎の定石や辰已の民実赤本を読み進める。まとめをやっていない判例を見つけて要旨をまとめる。
★第4週(6/10-16頃)
前週に辰已の答練が終わって、次週から伊藤塾の答練が始まることに。
インプットができる時間ができたことから、判例百選スピード講座を高速で回すことに。
また、スタ論の復習が順調に進んでいたこともあり、少しペースダウン。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成20-25問
・スタ論の復習2問
・予備過去問の答案構成2問
・百選講座15回分
★第5週(6/17-23頃)
伊藤塾の直前答練がはじまり、土日には伊藤塾の模試があった週。
あくまでインプットはその次週の辰已模試に照準を定めたもの。
これくらいの時期に過去問が1周でき、迷ったものの触れる機会は少し少なめに。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成20問
・スタ論の復習2問
・予備過去問の答案構成1問
・百選講座20問
答練がある日
→答練を受ける。
答練がない日
→北大本等に時間が許す限り触れる。
★第6週(6/24-30頃)
伊藤塾の答練が継続。
スタ論の復習が終わるかがあやしくなり、少しペースアップ。
伊藤塾の模試の手応えはよくわからず、結局あまり勉強の内容は変えず。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成20問
・スタ論の復習3問
・予備過去問の答案構成1問
・百選講座20問
答練がある日
→答練を受ける。
答練がない日
→スタ論の復習を追加で数問やる。
★第7週(7/1-7頃)
本番前に、模試で感触が悪かった科目をテコ入れすることに。
また、答練の返却が試験前までになされないと勘違いしており、伊藤塾の答練を自分で構成する用の素材にしはじめた。
実務基礎をないがしろにしている、という感触があり、赤本の苦手部分を読むようにした。
答案を書く感覚を忘れないように、毎日予備過去問の答案を作成した(が、実際には途中で書くのをやめて満足してたいことも多かった)。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分
・旧司の答案構成20問
・スタ論の復習4-6問
・直前答練2題
・予備過去問の答案作成1問
・百選読み60個
★直前(7/7-13頃)
インプットをメインにすることにした。
また、テーマ拾いができそうな事例で考える憲法を購入して、毎日読むようにした。
一度検討した民法と刑訴の演習書は読みあさることにした。
書く勉強はやめていたはず。答案構成さえある程度形になれば答案が書けるような気持ちになっていたため。
1日のノルマ
・特定科目の論証集半分×2科目
・旧司の答案構成20問
・スタ論の復習4問
・予備過去問の答案構成1問
・百選講座20問
・事例で考える憲法6問
・事例演習刑事訴訟法5問
このように、時期にあわせて微調整しながら勉強をしていましたが、基本的には短答前までに作っていた一元化教材(私の場合は趣旨規範)と旧司の問題を解き続けながら、答練の復習をするような形になっていました。
(ここまで書いたようなおおまかなスケジュールが復元できたのは、毎週勉強予定を立てて、週の終わりに赤ペンで反省をする、というのをやっていたからでした。
計画と向き合えているかがチェックできて、なかなかよかったかもしれません。)
3.教材別の勉強量まとめ
以上のを内容をまとめると、だいたい次のような勉強内容になります。・論証集を全科目4周
・旧司を全科目4周
・スタ論を3年分答案構成
・辰已の直前答練を受講
・伊藤塾の直前答練を受講
・辰已と伊藤塾の論文模試を受講
・刑事実務基礎の定石
・民事裁判実務の基礎(いわゆる大島本)
・司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック(いわゆる赤本)(旧民法用)
・事例で学ぶ民法演習(旧民法用)
・えんしゅう本 行政法
・事例で考える憲法
・事例演習刑事訴訟法(いわゆる古江本)
(直前期以外の分も含みますがExcelで勉強内容を把握するようにしていました。進み具合が目で見えてモチベーションに繋がります)
4.採用しなかった教材とその理由
以上の通り、直前期はとにかく既に解いた問題を解き直すことと、既存の論証集を読み返すことが勉強の中核でした。そのため、新たに演習書を増やすことはあまりしませんでした。
このような理由で購入を見送った参考書としては、事例演習教材、とりわけ評価の高い刑法と会社法があります。
伊藤塾の答練と事例演習教材のどちらを取るかで悩みましたが、答練に出たテーマは、受講した受験生のレベルが上がってしまうことが想定されたため、答練の受講を優先しました。
なお、刑法事例演習教材については司法試験対策で使用し、かなり勉強になったため、オススメです。
人によってはインプット教材として、基本書や基礎講座テキストを選択する場合があるかもしれません。
かなり有効だと思いますが、私の場合は、短答前に必要な箇所は基本書で読み返す等していたため、論文前には特に参照しませんでした。
また、当時話題になっていた参考書としては、事例でわかる伝聞法則がありました。
こちらももし伝聞法則に苦手意識があれば、購入を検討していたかもしれません。
前年と比べて10日強余裕があるので、上記に加えてもう少し勉強ができそうです。
もし私なら、ここにあげているような教材等を購入して、増えた時間分だけ地力を上げられるようにしたと思います。
ここに記載していないものでいえば、新しく予備試験の問題作成委員となった橋爪先生の著作を読んだり、改正民法での要件事実を学ぶため、大島本を購入するようなことが上げられるでしょうか。
特に、例年よりは時間があることから、実務基礎科目対策に時間をあてる受験生が増えるとも考えられ、ひけを取らないように勉強をするのは一つの選択肢だと思います。
参照:予備試験の刑事実務基礎科目の対策・解き方
5.おわりに
以上のようなスケジュールで勉強をしていました。よく予備校の先生方がおっしゃるように、この時期にはそれぞれの受験生ごとの勉強法の正解があって、それを見極めることが大事なのだろうと思います。
何かコンセプトを持って勉強計画を立てるとよさそうです。
上に載せていたような勉強計画メモを作るのも一案だと思います。
お役に立てれば幸いです。
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コメント
コメント一覧 (4)
この前司法試験を受験し終えた者です。合格発表まで時間があるので、知財を少しだけさらっておきたいのですが、オススメの入門書等ありましたら教えていただけませんか?
ABC
がしました
ABC
がしました