0.質問箱の回答
質問箱に来ていた質問に回答しています。私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee
参照:質問箱の利用と記事募集
最近は長文の質問が増えてきたため、回答ペースが少し落ちます。
あまりないとは思いますが、急ぎのものがあれば遠慮なくTwitterのDM等でご連絡ください。
1.判例百選スピード講座の科目の選択
大好きな判例百選スピード講座の質問が続いており、嬉しいです。
参考:アガルートの判例百選スピード講座の特徴・使い方・オススメできる人
以前の紹介記事で述べたとおり、私が思う同講座の特徴は次の2つです。
質問者様のおっしゃるとおり、どの科目が必要かはそれぞれの学習状況によって大きく変わると思うので、上記の特徴による恩恵が大きそうな科目をいくつか選んでみます。
- 答案の形で判例を学ぶことができる
- 渡辺悠人先生の答案の型を学ぶことができる
答案の形で判例を学ぶことが重要な理由は、百選掲載の事例だけでは分かりづらい、どのような事実をどのように斟酌して事例を解決したかが学べることにあります。
これが分かると、事実を拾って評価する、いわゆるあてはめの理解が進むことになると思います。
そこで、答案の形で判例を学ぶことが重要な科目とは、あてはめについて学ぶことが重要となる科目でしょう。
実際のところあてはめが重要でない科目などないのですが、あえて選ぶとしたら、刑事訴訟法、会社法、民事訴訟法でしょうか。
刑事訴訟法は苦手意識がある人は少ないかもしれませんが、それゆえに事実の使い方のようなやや細かい点で差がつきやすいところです。
たとえば、任意捜査の必要性・緊急性・被侵害利益等について、事実の振り分けを的確に行えるでしょうか。
そのため、判例の判断枠組みについて、事実の使い方も含めて学んでおくことが大事だと考えます。
会社法は、一般にイメージが湧きづらい科目と言われることもあり、あてはめも簡単ではありません。
また、詳細な条文の規定のある会社法における結論の妥当性を確保する判例法理の理解のためには、それを導いた事実関係の理解が必要でしょう。
そこで、個々の判例について些細に至るまで学んでおくのがよさそうです。
民事訴訟法は、理論面の学習に比重が置かれがちに思います。
そのような学習の特質からか、民事訴訟法の事例問題における事実の使い方が上手でない方が多いようです(そのような事実こそが判例の判断を導いているにもかかわらず、です)。
いくつかの司法試験の過去問の採点実感を読むとそのことがわかってくると思います。
そこで、個々の判例のあてはめについて学ぶことによる実益は大きいでしょう。
公法についても、当然判例が示したような判断枠組みにのっとり事実を評価する姿勢は重要です。
そのような学習の特質からか、民事訴訟法の事例問題における事実の使い方が上手でない方が多いようです(そのような事実こそが判例の判断を導いているにもかかわらず、です)。
いくつかの司法試験の過去問の採点実感を読むとそのことがわかってくると思います。
そこで、個々の判例のあてはめについて学ぶことによる実益は大きいでしょう。
公法についても、当然判例が示したような判断枠組みにのっとり事実を評価する姿勢は重要です。
しかし、憲法であれば三段階審査、行政法であれば処分性や原告適格について、ある程度定式となった判断枠組みが存在します。
これらについては、個々の判例につき検討するというよりは、その判断枠組みを複数の判例を相互に見ながら学んでいくような学習が有効なように感じます。
そこで、判例百選スピード講座が個々の判例について検討することからは、相対的には同講座により学ぶ必要性は低いのかなあと考えます(とはいえ、有効だとは考えます)。
民法・刑法については、比較的事実の評価の仕方が分かりやすいことから、他の手段でもあてはめについて学びやすいものと考えます。
そこで、判例百選スピード講座によるのも有効だとは考えますが、相対的には重要度は低そうです。
渡辺悠人先生(司法試験総合4位)の答案の型を学ぶことが重要であると考える科目をあえて3つ選ぶとすれば、刑事訴訟法、行政法、民法の3つでしょうか。
刑事訴訟法と行政法は、いずれも典型的な出題テーマに対する解答の枠組みが存在します。
例えば、伝聞法則や原告適格について考えれば想像しやすいでしょうか。
このような出題に対しては、答案の型を用意しておくことができ、そうすることが有効です。
そこで、優れた答案の型を学べる判例百選スピード講座の利用は有意義だったように思います。
民法は、刑事訴訟法や行政法のような典型的な出題テーマが存在するとは言いづらそうですが、要件事実的発想が重要な科目です。
要件事実が重要、と言われても、要件について検討するのは当たり前なんじゃないの、と感じる方も多そうです。
そのような方にこそ、優れた答案がどのように要件を整理し、説得的な議論をしているのかを学ぶ意義があるように感じます。
憲法についても、かなり大枠でいえば三段階審査や違憲審査基準の定立について、ある意味定型的な議論が可能であるといえるかもしれません。
ただ、それなら端的に三段階審査についての理解を深めればよいため、たとえば有名な合格思考憲法(憲法の答案の書き方がわかるようになる、簡単ながら優れた名著です)を読めば足りるようにも思います。
他の科目については、ここまで挙げた4科目と比較すると、相対的に答案の型のようなものの重要性が低いように思います。
とはいえ、学ぶところは多いと思います。
少し話はそれますが、優れた答案を読むことの意義は感じたものの、同講座を取るほどではない、と感じた方は、上位答案の載ったぶんせき本を購入するのも手かもしれません。
以上のことから、3科目を選ぶとしたら、
・判例の事実の用い方を学びたい→刑事訴訟法、会社法、民事訴訟法
・優れた答案の型を学びたい→刑事訴訟法、行政法、民法
となるでしょうか。
実際には、先に書いた通り、自身の苦手科目等を加味しながら、入れ替えてみるのがよいと思います。
参考になれば幸いです。
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これらについては、個々の判例につき検討するというよりは、その判断枠組みを複数の判例を相互に見ながら学んでいくような学習が有効なように感じます。
そこで、判例百選スピード講座が個々の判例について検討することからは、相対的には同講座により学ぶ必要性は低いのかなあと考えます(とはいえ、有効だとは考えます)。
民法・刑法については、比較的事実の評価の仕方が分かりやすいことから、他の手段でもあてはめについて学びやすいものと考えます。
そこで、判例百選スピード講座によるのも有効だとは考えますが、相対的には重要度は低そうです。
渡辺悠人先生(司法試験総合4位)の答案の型を学ぶことが重要であると考える科目をあえて3つ選ぶとすれば、刑事訴訟法、行政法、民法の3つでしょうか。
刑事訴訟法と行政法は、いずれも典型的な出題テーマに対する解答の枠組みが存在します。
例えば、伝聞法則や原告適格について考えれば想像しやすいでしょうか。
このような出題に対しては、答案の型を用意しておくことができ、そうすることが有効です。
そこで、優れた答案の型を学べる判例百選スピード講座の利用は有意義だったように思います。
民法は、刑事訴訟法や行政法のような典型的な出題テーマが存在するとは言いづらそうですが、要件事実的発想が重要な科目です。
要件事実が重要、と言われても、要件について検討するのは当たり前なんじゃないの、と感じる方も多そうです。
そのような方にこそ、優れた答案がどのように要件を整理し、説得的な議論をしているのかを学ぶ意義があるように感じます。
憲法についても、かなり大枠でいえば三段階審査や違憲審査基準の定立について、ある意味定型的な議論が可能であるといえるかもしれません。
ただ、それなら端的に三段階審査についての理解を深めればよいため、たとえば有名な合格思考憲法(憲法の答案の書き方がわかるようになる、簡単ながら優れた名著です)を読めば足りるようにも思います。
他の科目については、ここまで挙げた4科目と比較すると、相対的に答案の型のようなものの重要性が低いように思います。
とはいえ、学ぶところは多いと思います。
少し話はそれますが、優れた答案を読むことの意義は感じたものの、同講座を取るほどではない、と感じた方は、上位答案の載ったぶんせき本を購入するのも手かもしれません。
以上のことから、3科目を選ぶとしたら、
・判例の事実の用い方を学びたい→刑事訴訟法、会社法、民事訴訟法
・優れた答案の型を学びたい→刑事訴訟法、行政法、民法
となるでしょうか。
実際には、先に書いた通り、自身の苦手科目等を加味しながら、入れ替えてみるのがよいと思います。
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