0.質問箱の回答
質問箱に来ていた質問に回答しています。私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee
参照:質問箱の利用と記事募集
1.基本刑法ユーザーがなぜ多いか
基本刑法はかなり根強い人気がある参考書であるように思います。
私も予備口述対策でかなり中心に据えて利用して以降、愛用していました。
魅力はいくつかありますが、まずはその「適度な」網羅性でしょうか。
およそ司法試験・予備試験で問われそうな問題意識(かそれに関連する話題・論点)は網羅されているように思いますし、理解に必要な程度の説明も付されています。
それでいて通読が著しく困難な分量ではないですし、あまりに詳細にすぎると思われるような箇所も目立ちません。
刑法でわからないところがあるときに調べる辞書的な書籍が欲しい、というニーズに、とりあえずは応えてくれるような参考書だと思います。
個人的には、典型事例が載っている点が気に入っていました。
法律の参考書に付されている事例は、往々にして判例になるような限界事例だけが載っていることが多く、ある条文や法律構成が問題となる典型的な場面がどのようなものなのかが見えづらいことがあります。
基本刑法は、典型事例も含めて設問例を載せているところが特徴的で、様々な論点の問題意識がよくわかるようになりました。
(なお、既に購入済みの方にも教えたい小ネタとして、その設問例が無料でダウンロードできることが挙げられます。問題集として便利に使えそうです。参考:日本評論社該当ページ)
あとは、ユーザーが多いこと自体がユーザーが多いことの理由になっているようにも思います。
基本刑法が人気の参考書であることから、基本刑法に書いていること以上のことはほとんどの受験生は知らない、として勉強を進めることができます。
そういう意味で、勉強範囲の限界がわかることから、他の受験生に使われている参考書であること自体が人気の理由になっているようにも思います。
(とはいえ、このことは他の有名な参考書にもいえることであるほか、先述の通り網羅性の高い基本刑法の範囲で知識の上限が定まっているということがどれだけの意味を持つのかは、冷静に考えるとあまりよくわかりません)
このことは、以前論文式答案が書けるようになるまでについて触れた下記リンクの記事で触れています。
(参考:司法試験・予備試験の論文式試験の答案が書けるようになるまで(質問箱回答))
これらの利点は他の参考書と比べても秀でていると思いますし、私自身は学習の中心に据えていたわけではなく信憑性は怪しいですが、おそらくは呉先生の教科書と比べてもそうだと言えると思っています。
一方で呉先生の教科書は、予備校本的な良さ(通読することを前提に書かれている、受験生が知りたいと思う情報に特に手の届く構成となっている、等)があり、その点には差がありそうです。
両者は、その性質や役割において重なる面もあれば異なる面もありそうなので、見比べて採用する方を選んだり、勉強のフェーズにあわせて両方を使い分けたりするのでもよさそうに思えます。
PRを含みます。
↓PR↓
にほんブログ村
コメント