0.質問箱の回答

質問箱に来ていた質問に回答しています。
私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee


参照:質問箱の利用と記事募集


IMG_8164

以下の記事を読んでくださったのだと思います。
(参考:合格年の予備試験短答後の論文向けの勉強計画)
論証集と百選を回すとは、どのようなことなのかについて触れてみます。

1.論証集をなぜ回すか・どう回すか

論証集を読む理由は、試験本番で十分な記述をするためです。
そのため、論証集にまとめておくべきことや、記載していることで暗記すべき内容としては、規範や、それを導く理由づけ、個別のテーマに関する理解、単発の知識が挙げられそうです。
私はそれらを趣旨規範ハンドブックに適宜加筆していたため、それをなんども読むことが私にとって「論証集を回す」ことでした。


スクリーンショット 2020-10-19 1.04.50

(趣旨規範ハンドブックに加筆、マーカー、ぶんせき本の解説の画像の添付を施したもの。なお自分でメモをした箇所以外にはモザイク加工をしています)

このように、結論の部分にピンク色のマーカーを、理由づけの部分に青色のマーカーを引いて、その部分を暗記するようにしていました。
また、必要となる単発の知識についても適宜読んでいました。


IMG_A1C0AC30DA1B-1
(自作した憲法判例の射程のまとめノート。空欄部分を埋めたページを読んでいました)
個別の論証が必要となるような分野ではない場合には、まとめノートを作りました。
論証集というよりは、特定の書籍のレジュメを読み返すというような形になりました。





余談ですが、論証を暗記するというと、一定の長さの文章を暗記しておく派と、理由づけと結論の部分だけ暗記しておく派がいます。
この差は相対的なもので、あまり区別する実益はないのですが、強いていえば私は後者でした。
元から用意していた文章を丸写しする機会は、時間的な制約や、事案の変化から、あまりなかったためです。
そこで、上記のようにかなり簡素な記述のみなされた論証集を利用しています。


このような簡素な記述のみが書かれた論証集なので、ざっと眺めることにしていました。
おそらく質問者様の質問は、一定の長さのある文章である論証を、書いて覚えていたのか、読んで覚えていたのか、というような質問だと思うのですが、こういうわけで頭から通読するのみでした。
そこそこの網羅性があるように加筆修正をしていましたが、それでも通読するのに1科目5時間程度で終わっていたと思います(集中力によって大きく時間が変動していたため、聞かれるたびに所要時間の回答が変わっているかもしれません)。

いつもこれだけの量の論証集を回すのは大変なので、答練や模試、本番前にだけ確認するための簡易のものも用意していました。
(参照:試験直前チェック用の教材を用意する(司法試験・予備試験))


気をつけていたことは、特定の論点につき体系を意識することと、キーワードが覚えられているかどうかを確認することです。

論点の内容は、それが問題になることさえ分かればぼんやりと思い出せるのですが、いつ問題になるかがわからなければ、なかなか使いづらいものです。
そこで、体系を意識することで(具体的には目次を適宜参照することで)、その問題となる場面の理解に努めていました。
また、キーワードが指摘できれば理解を端的に示しやすいため、意識的に暗記するようにしていました。
たとえば、「捜索に至らない程度の行為は強制にわたらない限り」というような独特の言い回しは、そのまま書けるように準備をしていました。


なお、以上の通り論証集の利用にはiPadを用いていましたが、その方法については以下の記事を参照してください。
(参照:司法試験・予備試験とiPad活用術

2.判例集をなぜ回すか・どう回すか

判例集を利用する場面については、以前触れています。
(参照:基本書や判例百選は必要?司法試験・予備試験と判例・学説

判例の結論やその理由づけについては予備校テキストや基本書に触れられていることが多いため、判例集を参照する理由があるとすれば、判例の事案の把握や詳細な判断の内容、その解説を読むことがあると思います。
私はとくに事案の把握をしたいと考えていたため、その箇所を読んだ上で判例の判断について自問自答するという、短文事例問題集のような使い方をしていました。
判例の判断内容については、もっぱら判例百選スピード講座で参照していたため、このような限定的な利用になっていたかもしれません。
(参照:アガルートの判例百選スピード講座の特徴・使い方・オススメできる人)

人によっては、同様の方法でなんども周回することを前提に、事案の重要な要素にマーカーを付したり、判例の判断に加筆や加工を施したりしている方もいるようです。



意識すべきことは、上記のような目的のうち、何を求めているのかをはっきりさせておくことです。
いかんせん情報量が多いため、読み始めるとかなり時間を必要とします。
そこで、自分が達成したい目的との関係でひとまず読めばいい箇所に限定して、さっさと読み進めていくことが重要なように感じます。






PRを含みます。
↓PR↓
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村