0.質問箱の回答
質問箱に来ていた質問に回答しています。私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee
参照:質問箱の利用と記事募集
1.司法試験対策で辞書的に使っていた基本書
大体の科目で辞書的に参照する基本書は一応持っていました。
過去問や演習書の問題を解いたときに、出てきた疑問が解説のみでは解決しないことが少なからずあったため、その解決をするためです。
(参照:基本書や判例百選は必要?司法試験・予備試験と判例・学説)
とはいえ、複数の書籍を丁寧に比較して選んでいたわけではないため、その科目の対策のために一番オススメと言えるかまではなんともわかりません。
ひとまず自分が使っていたものを挙げて、その簡単な感想を添えておくこととします。
あまり基本書には詳しくないため、他の方の意見もぜひ参考にしてみてください。
●憲法 新四人組憲法
令和2年司法試験から憲法の作問担当に参加した宍戸先生を含む4人が執筆した基本書です。
特徴的なのは、審査基準論についてきわめて詳細な記述があることだと思います。
三段階審査や、それ以外の審査基準について何章もの分量が割かれているほか、それぞれの人権についての記述も保障範囲や制約について意識した章立てのもとなされています。
そのため、答案でどのような記述をするかという疑問を解決してくれることが多く、かなり重宝した一冊でした。
(参照:司法試験・予備試験における三段階審査以外の違憲審査の手法)
●行政法 サクハシ
櫻井先生と橋本先生の本なので、一文字ずつとってサクハシと呼ばれている本です。
薄めの基本書で、もともと初学者のときにインプットのために通読したときから使っていました。
そういう経緯もあり、なんとなく買い替えずにいたのですが、記述量はそう多くなく、ややこしい悩みがあったときにかゆいところに手が届く感覚があったかはなんとも言えないところです。
ちょうど司法試験直前くらいの時期に憲法ガール等で有名な大島先生が出した本があり、今買うならそちらを買うかなあと感じています。
●民法 内田民法
内田先生の本を使っていました。
内田先生の民法は、典型事例つきで様々な論点を解決しているほか、実務上の難点等もあわせて解説してくださっているため、発展的な論点も含めて触れられており、困ったことがあったときはだいたい解決してくれました。
ただ、条文を起点に考える、というような記述ではない箇所も少なくなく、初学者のときに通読するような本ではないだろうな、とも思います。
そういう意味で、辞書的に使う基本書としてちょうどいい本なのだろうと感じます。
計4冊ありますが、最近改訂されたばかりの債権総論・担保物権の民法Ⅲを眺めて、相性を確かめるとよさそうです。
●商法 田中会社法
田中亘先生の基本書です。
学部の授業で指定教科書だったこともあり購入したのですが、個人的にはかなり相性がよく、改訂後も買い直しました。
詳細でやや複雑な論点にも触れながら、一貫してきわめて読みやすい文体で書かれているため、会社法の諸問題を概観する目的では大変優れた一冊だと思います。
他の人気のある基本書と比べると、相対的に薄い神田先生の本より分量に安心感があり、江頭先生の本より参照性がよいと感じます。
●民訴 リーガルクエスト
人気のあるリーガルクエストシリーズの一冊です。
民事訴訟法の基本書は、学説の対立に関する記述が相当量を占めているイメージがありますが、リーガルクエストは、相対的にはそのような箇所が少ないように感じました。
そのような対立について読み込むのは勉強にはなるのですが、試験対策との関係ではどの程度活かせるか不明だったため、この一冊を選びました。
とはいえ、基本的には百選の解説を読み込むことの方が多かったので、あまり参考にすることはなかったような気がします。
●刑法 基本刑法
これについては別で紹介しているため、リンクを貼っておきます。
かなりオススメです。
(参照:基本刑法ユーザーはなぜ多いか(質問箱回答))
●刑事訴訟法 (特になし)
私は特に刑事訴訟法の基本書を買っていませんでした。
意識して買わないようにしていたわけではありませんでしたが、多くの場面で百選を参照すれば足りたから買うのを忘れていたのだと思います。
また、形式上は演習書でありながらも、実質的には基本書同様のタッチで論点を解説している古江本(事例演習刑事訴訟法)もあったため、特に購入の必要性を感じなかったのでしょう。
対話形式のテキストがあまり好きではないので、古江本は相性がいいとは思いませんでしたが、それを差し引いてもオススメできる一冊だと思います。
概ねこのような感じです。
参考になれば幸いです。
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