0.質問箱の回答

質問箱に来ていた質問に回答しています。
私の質問箱は、以下のリンクにあるのでまたよかったら教えてください。
https://peing.net/ja/abc_examinee


参照:質問箱の利用と記事募集

1.試験直前の不安について

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司法試験や予備試験短答が近づいてきており、不安になりがちな状況ですよね。
一合格者の話を読むよりも勉強に打ち込んだ方がよいと言われてしまいそうですし、私も基本的にはそう思うのですが、質問された方一人に長々とエールを送っても引かれてしまいそうなので、ブログに書くという形にしてみます。
私が受験生の立場なら、「受験前に合格者がのうのうと何を......」と思いそうなので、わざわざ書くかは迷ったのですが、ちょっとでも気が紛れるのに役立てば幸いです。






2.試験前には落ち着かなくて当然

不安を解消するような気の利いたことが言えればそれが一番よかったのかもしれませんが、私自身のことを思い出すと、平常心でいろ、と言うのは現実的ではないだろうな、と感じます。
各々の状況はあるでしょうが、少なくない時間やその他の資源を投入してきた試験が近づいている中で、緊張や不安、興奮等が盛り上がってくるのは当然のことでしょう。

それは試験前の時期だけでなく、試験本番でもそうだと思います。
平常心で受けられているつもりでも、ふとした瞬間に前に受けた科目の出来についての不安に心を支配されてしまうこともしばしばでしょう。


そのようなことから、私としては、平常心でいられる秘訣を伝えるというよりは、平常心でないことはあたり前のことなんだ、と伝えられればよいなあ、と思っています。



とはいえ、心を乱された状態でいることを認めてとにかく頑張れ、と言うのでは、あまり親切ではありません。
何か落ち着く方法を自分なりに考えてもらうのとは別に、何か助言ができそうなことがあるとすれば、最後の調整の方針に関することが挙げられるでしょうか。


試験前には、どうしても細かな知識や、今まで間違えたさまざまな内容について際限なく復習をしたくなるところです。
それ自体は間違っているとは思いませんが、何か学習の方針があるとよいのかなあ、と思います。
その際に、試験時には落ち着いていられているとは限らないことを念頭におくと、実りある学習ができるように感じます。
一例として、「試験では平常心ではないことを前提に、機械的に検討を進められる部分ができるように処理手順を見直す」というものが考えられます。

ある程度自信のある受験生でも、本番では、かなり突拍子もない上にその場ではかなりいい思いつきであるように感じてしまう(素晴らしい)思いつきに心をとらわれてしまうことが多々あるようです。
その思いつきの検討に相当な熱を注いでしまいがちですが、たいていは泥沼にハマっているだけです。
そのような不幸に見舞われないために、機械的に検討をするための処理手順(そこまでたいそうなものである必要はないと思います。自分ならいつもこう解いているな、という流れを再確認すればきっと十分です)を見直してみるとよいと思います。


このように、試験前に平常心でいられないこと自体はまったく自然で、無理に落ち着こうと焦るのではなく、そのような状態でも一定のパフォーマンスが発揮できるように一定の準備をしよう、と思い直せればよいな、と考えています。

3.試験前の思い出

いささか偉そうに話をしてしまったので、私もご多分に漏れず、平常心でいられなかった話を書いておこうと思います。
ここまでの話に増して重要ではない話なので、受験生の直前期の貴重な時間を奪うことになっていないことを願います。


予備試験(特に論文)の直前期は、緊迫感を強く感じていたことを覚えています。
私は予備試験を受けるためだけに留年をしたと言ってもよい状態にあったことから、絶対に落ちたくない、という気持ちに支配されていたと思います。
それにもかかわらず、直前の模試の結果はそこまで振るわず、どうすれば閉塞感を打開できるかを模索していたと思います。
(参考:予備試験浪人をするということ
そのようなときに思いついたのが、上記のような学習方針です。
本番もきっと完全に落ち着いた状態では受けられないだろうと考え、多くの科目について、処理手順を見直すようにしました。
これをまとめて作成したのが、直前チェック用の教材です。
(参考:試験直前チェック用の教材を用意する(司法試験・予備試験)
ここに載っている手順については、本番でも無心に進めればよい、と感じられていたおかげで、強い安心感を得られたのを覚えています。
このように書くと冷静に準備を進められていたように見えますが、予備論文前日に、地元のカフェにこもって行政法のチェック用教材をあくせく作成していたのは、今となってはよい思い出です。



逆に、司法試験の時は、かなり興奮していたことを覚えています。
模試の結果がかなり良かったこともあり、はやく司法試験を受けたいなあ、と毎日思っていました。
予備試験からの決して短くない受験時代が、司法試験の受験でついに終わるのだ、と考えると、集大成である司法試験で、満足のいく答案を書いてやるぞ、とかなり前のめりな気持ちになっていました。
司法試験が延期されていたこともあり、もちろん実施の可否や是非に関する懸念はあったものの、自分のやりたい準備は大方することができ、十分な対策もできていました。

前年に受けた予備試験とはうってかわって、満足な対策もできて、模試でも一定の成績が出せた状態となっていましたが、そのような状態にあっても、かえって平常心ではいられないことに気がつき、驚きました。
今のところは人生における重要なライフイベントである司法試験を前にして、どのような状態であれ気持ちが昂ってしまうのだなあ、という発見をしました。


そういうわけで、質問に回答すると、ちっとも平穏でいられませんでした、というのが正直なところです。
でも、それでもいいのだと思います。


このような自分の(ちっぽけな)経験を元にして、試験前に平常心でいられる人なんてあんまりいないんだぞ、と伝えられたらいいなと考えて、だらだらと書いてみました。
誰かの不安に向き合えているものであることを願いつつ、また受験生の方々を応援しつつ、今回は終わりにしようと思います。







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