ABCにっき(司法試験受験ブログ)

司法試験合格を目指している受験生のブログです。2019年予備試験合格

カテゴリ: 司法試験


本番まで60日くらいなので、勉強予定の方針をメモしておくことにしました。




1.全国公開模試まで(〜6月28日)

◎論証集を太らせる最後のチャンスだと思って、未読の参考書を読み進める。
・田中亘会社法の重要箇所・コラム
・民法演習サブノートをサッと読む 残り70問くらい
・四人組憲法 違憲審査基準箇所
・令和元年重判

◎論証の確認を怠っていたため、模試までに各科目1周しておく。

◎短答はまだそこまで。1日100肢程度だけ解く。

◎過去問は2周目の答案構成を進める。

◎ぺー論をあらかた解き終える。




2.模試の期間中(6月29日〜7月3日)

模試のメモで書いたところと同様。

◎本番と同じ感覚で5日間を過ごすことを意識する。
・23時までには寝る。
・必要以上に勉強しない。

◎模試までで確認してきた処理手順を淡々と紙面で表現できるか確認する。
・B相当答案の基準を割らないようにする。
・問題提起を簡潔に、理由付けも勝負するところ以外は趣旨と相当性だけ簡単に書く。

◎暑さ対策(特にマスク関連)が十分かチェックしておく。

◎中日はもっぱら基本刑法の学説対立関連を読んで確認する。2日目終了から短答のAnkiを回す。



3.直前期(7月4日〜7月末)

◎論証を回す。新しい知識を入れることより、基本的な概念を誤りなく書けるようにする。

◎答練と過去問の答案構成と復習をしながら、問題を見たときに注意すべき事項の抽出の力が衰えないようにする。3日に1回ほど答案も書く。

◎過去に取り組んだ演習書や参考書をざっと確認して、内容が正しい表現に触れるようにする。
・憲法演習演習ノート
・事例で考える会社法
・刑法事例演習教材
・知的財産法演習ノート
・読解民事訴訟法

◎短答は全問題を1周したのちは、過去に間違えた肢のみ定期的に解く。



4.超直前期(8月頭〜本番まで)

◎基本的には論証と旧司と短答を見返す。単語集を用意したものはそれも見返す。

◎まだ解いていない答練を2日に1通程度のペースで書く。

◎徐々に起床時間を早めて、本番1週間前からは6時に起床するようにする。

5.おわりに

残り60日くらいなので、今まで伸ばそうと考えてきた分析力を信じて、正しい知識を定着させることに主眼をおく。
間違えて不合格にならないよう、長時間はしなくとも悔いない勉強ができるよう意識する。
とにかく生活習慣を整える。


★関連記事
(ネタバレなし)伊藤塾司法試験模試第2回 振り返り(メモ)
司法試験模試で気をつけること(メモ)


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0.New辰已・全国公開模試について

以前紹介した通り、2020年受験向け最後の司法試験模試として登場したのが、New辰已・全国公開模試です。
他塾との連携も含め、新情報が多くなってきたため、別記事に分けました。
情報整理に役立てば幸いです。




1.模試の特徴について

今回の模試の最大の特徴の一つは、会場受験以外の受験方法があることでしょう。
東京と大阪での会場受験にくわえ、オンラインLIVE受験を行うことが記載されています。
オンラインLIVE受験は、東京での会場受験の様子をZoomで配信することで、会場受験に似た緊張感の中で受験ができるものとされています。
同塾が以前行なっていたコンディショニング答練と類似の仕組みのようです。

日程は、以下の通りです。

東京A日程:6/29,30,7/2,3
(オンラインLIVE受験も同様)
東京B日程:7/8,9,11,12
大阪日程:7/13,14,16,17

申込開始日:6/13 14:00から

他の特徴として、本番まであまり日数がないことから、添削を受ける答案数を厳選できる仕組みが採用されているようです。
日程通りの受験に慣れたいだけであれば、そのような活用方法もありそうなので、斬新です。



いずれも詳しくは公式を確認してみてください。
参照 公式パンフレット:https://tatsumi-study.com/pamphlet/sh/book_SH200605_all/#target/page_no=1
参照 公式サイト:https://r-tatsumi.com/conditioning/zenmo2020/

(なお、この記載は以前の紹介記事と同様のものです。)

2.アガルートアカデミーとの連携

模試自体の特徴に加えて、興味深いのは、アガルートアカデミーが同塾経由で辰已の模試の申し込みを可能とすると発表したことです。


申し込みの方法については6/12頃に公開するとのことです。
詳細はまだ未公表のようです(2020年6月10日現在)。


詳細が公表されました。

こちらは後述のBEXAとは異なり、会場受験も含めて申し込みが可能なようです。
あらかじめアガルートのホームページ上でのフォーム記入をしておくと、Amazonギフトコードが1000円分もらえるというキャンペーンです。
実際の申し込みは、辰已のホームページ上で進めるようです。


詳しくは以下のリンクから確認してみましょう。
参考:辰已法律研究所×アガルートアカデミー「司法試験New全国公開模試」


Amazonギフトコードがもらえるという点でありがたいというのもありますが、予備校間での講座の連携はあまり例がなく、とりわけ全国公開模試という重要な講座での連携は類を見ないものです。
今後も同様の取り組みが増えるとすれば、楽しみです。



3.BEXAとの連携

同様に、BEXAとも連携をすることが発表されています。


正式プレスは6/10中になされるようですが、Twitter上で伊藤建先生が告知をしておりました。
こちらについても具体的な手続等については未公開です(2020年6月10日現在)。

正式に公表がされました。
参考 公式サイト:https://bexa.jp/courses/view/275

BEXA経由で購入ができることが案内されています。
対象となるのはオンライン受験で、6/12から購入が可能になるようです。
同時中継日程:6/29,30,7/2,3


辰已の6/13より早くに購入開始日が設定されていますが、オンライン受験に人数制限があることは示唆されていないため、この点については特に深く考えなくてよさそうです。
また、オンライン同時中継の日程のみが公表されていますが、問題だけ取り寄せたい場合等に関する案内は特になされていないようです。




伊藤建先生は同時に、今後も他塾の連携を行う可能性があるような発言をされています。
受験生としてはありがたいばかりです。

4.おわりに

以上の通り、辰已模試について3塾が連携しての実施がなされることとなっています。
私もこの模試を受験するつもりでいるため、受験者が増えるであろうこのような流れを嬉しく思っています。

伊藤塾が現在では模試の実施については特に動きを見せていませんので、伊藤塾の動きにも期待です。



情報が出るたびに適宜更新しようと思います。


関連記事:
論文答練は取るべき?比較・おすすめ(司法試験・予備試験)
試験日程延期を受けての直前答練追加まとめ(予備試験・司法試験)



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0.判例知識や学説にアクセスする

司法試験・予備試験の勉強をしていると、ある論点や知識について、判例や学説でどのように考えられているのかを確認したくなることがあるかと思います。
それは、短答にせよ論文にせよ、ある事例について条文を用いて解決することが求められていることに起因します。
条文の解釈や、それにまつわる概念の適用について、どのようなものが一般的に認められているか、逆にあまり説得力がないとされているのかを知る必要があります。
自己流の無理筋の条文解釈に基づく解答をしても、説得力がないと判断されてしまうためです。


このような問題に対処するために、一般に説得力があるとされる考え方を学ぶ必要があります。
その素材として有用なのが、判例や学説です。
これらを参照するために用いられるのが、判例集であり、基本書と呼ばれる教科書です。
今回は、司法試験・予備試験の学習をする際、これらとどのように向き合うべきかを考えてみようと思います。



前提として、既に日頃用いている教材(予備校教材や概説書、論証集等)があることを前提にしています。
それに加えて、判例集や基本書を用意すると、どのようないいことがあるか?という観点で考えています。






1.基本書の利用

「基本書」に明確な定義があるわけではありませんが、一般的には、ある学者がある法体系について網羅的に書いた本を指すことが多いように思います。


このような本は、特定の法分野に精通した学者が、一人または少数人で緻密に執筆していることから、内容が網羅的であり、かつ矛盾がない点に特徴があります。
一方で、法律系資格試験向けに書かれているわけではないため、予備校のテキストと比較すると、試験との関係でオーバースペックであったり、メリハリに欠けるように感じることがある点も特徴として挙げられるでしょう。
そういう意味で、試験との関係では、必要かはさておき十分な(ときに過剰な)情報量を有するのが基本書です。



日頃使っている学習教材に追加して、基本書を利用する意義はどのようなところにあるのでしょうか。
具体的な場面として、私が利用しているのは次のような場面です。
  • 予備校のテキストの記述のみでは、特定の概念があまり理解できない。そのため、より詳細な解説を読みたい。
  • 論文試験に向けて答案を作成したが、想定されていた考え方ではなかった。自分ではある程度妥当だと思うが、このような考え方が不適切なのかどうか知りたい。
  • 法改正前の過去問や演習書の問題を解いたが、解説が改正後に対応していない。現行法ではどう考えるのか。
いずれも、ある解決したい問題があって、その問題についての記載を参照する、という使い方になっていました。
これが、基本書についてよく言われる「辞書的に使う」ということの意味だと思います。



このような使い方は、試験に必要な知識を中心にまとめられている予備校のテキスト等では実現しえない場合があることから、基本書ならではのものといえそうです。
また、必要だと思う箇所のみを参照することから、情報量が試験対策との関係では過剰とも思えるという懸念も、問題になりにくいでしょう。



このように、基本書を利用することで、日頃の学習を進めるにあたっての懸念を解消しやすくなります。
そこで、よくつまずく科目については、基本書を購入しておくのが有用かもしれません。
私が今使っているのは、以下のようなものです。





一方で、今のところで挙げたようなメリットは、身近にすぐに疑問を解消してくれる方がいる場合には、あまり響かないかもしれません。
予備校の個別指導を受けている場合や、ゼミに入っているような場合です。
そのような場合は、基本書を参照するような感覚でどんどん質問をしていくことができるので、そうでない人と比べると重要度は薄れるかもしれません。



では、最初から学習の中心となる教材として基本書を選ぶのはどうでしょうか。
私自身も、行政法についてはいわゆるサクハシ(著者名から取られています)を通読して学習したので、現実的で、有用であるものだと考えます。
予備試験論文の行政法でも、A評価を得ることができたのは、体系だったインプットができていたからであるように思います。




ただ、先に述べたように、あくまで法律試験との兼ね合いでは、情報過多であることが多いと思います。
そのため、最初に読むときにはさっさと読み飛ばしていってしまう、のような工夫をしないと、消化不良になってしまうように思います。
そこで、通読をする等の学習の中心の教材として基本書を用いるのは、少なくとも初学者にとっては、困難が少なくないように思います。
むしろ、ある程度学習が進んでからだと、試験との関係で必要な情報のメリハリがつくので、学ぶことが多いように思います。
私も予備試験合格後、司法試験に向けて憲法の基本書を買い足すなどして、学び直すようにしています。





このように、基本書を用いることによる便益は大きいと考える一方、向き合い方を気をつけないと試験対策の方向性を見失ってしまう可能性もあるでしょう。


この点を象徴する出来事として私が覚えているのは、居酒屋で司法試験で五振(受験回数制限内に合格せず、受験資格を失うこと)した方に話しかけられたときのことです。
その方は、私が司法試験受験生であることを知ると、多くの基本書の記載について記憶していて、特定の箇所についての基本書間の説明の仕方の違いについて語ってくださいました。
基本書は、その呼ばれ方に反してきわめて詳細に様々な内容を記載しており、それらの記載に魅入られてしまうことはたしかです。
しかし、何かの話の拍子に民法96条3項の「第三者」の意義についての話題になったとき、その方が判例の定義を覚えていないことが分かりました。
これは受験生なら誰でも完全に暗記している定義で、暗記できていないことなどありえません。
彼は完全に暗記の優先順位を見誤っており、試験対策ではなく趣味として法律に向き合っていたのです。


このようなあり方が間違いであるとは思いませんが、少なくとも試験対策の上では合格と近いとはいえないように思います。
合格のために何が必要であるのかを見失わないようにしたいものです。


2.判例集(判例百選)の利用

試験対策に必要な最低限の判例知識については、予備校テキストに記載が全くないことは少ないように思います。
特に、試験でも書くことになる判例の結論や理由づけについては、記載がなくて困ることはほとんどないでしょう。
そのため、判例集をわざわざ購入することなく試験に合格していく方も、身の回りには多くいます。



判例の結論や理由づけ以外で参照したくなることがあるとすれば、判例の具体的な事案や、判例について学者の先生方がどのように考えているかを知りたい場合でしょうか。
このような内容については、予備校テキスト等には紙面の関係であまり書かれていないこともあります。
たとえば憲法については、それぞれの判例相互間の関係がわからなければ、特定の事案においてどのような判例の論理を引っ張ってくればよいのか分かりづらいこともあります。
(なお、こと憲法については憲法判例間の関係について記載された憲法判例の射程というきわめて優れた参考書があるので、申し添えておきます。)


このような内容について参照したいときには、判例集が便利です。
いずれの判例についても、事案の概要や学者や実務家による解説が付されているためです。
とりわけ、判例百選については、受験生を含む学部生や法科大学院生の学習に広く使われていることから、学習範囲の基準となっているものといえるでしょう。
その意味で、判例集を用意しておく意味はあるように思います。
私も、判例百選についてはPDF化して、iPad上で用いている論証集に貼り付けて用いていました。
(参照: 司法試験・予備試験とiPad活用術)


なお、大学生や法科大学院生の場合は、大学が提携しているサービスから判例データベースにアクセスできる場合もあるでしょう。
東大では、学外からでも利用できるデータベース上にWestlaw Japanというサイトがあり、それを用いることができました。
(参照: https://gateway2.itc.u-tokyo.ac.jp/dana-na/auth/url_default/welcome.cgi ログイン後データベース一覧から探してみてください)
このようなサイトを積極的に利用することも考えられるでしょう。




3.おわりに

以上の通り、具体的に必要となった知識があるときに、参照するものとして優れているのが、基本書であり判例集であると考えています。
必要に応じて参照して(逆に必要性が薄いときに過剰に参照しないで)、学ぶ上での疑問をなくせるようにするのが良いのでしょう。


以上です。読んでくださりありがとうございました。


★関連記事
司法試験・予備試験とiPad活用術
論文答練は取るべき?比較・おすすめ(司法試験・予備試験)



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0.司法試験・予備試験の論文答練に参加しよう

司法試験・予備試験では、どちらも論文式試験が課されます。
司法試験ではおよそ2倍、予備試験ではおよそ5倍の倍率となる試験で、どちらにおいても対策の中心となっているものです。
出題形式は、特定の事例問題に対して、文章で解答するもので、その試験形式や思考方法に慣れるには、一定の対策が必要であると言われています。


その一つの方法として広く使われているのが、予備校が主催している論文式試験の答練(答案練習会)です。
本番の論文式試験に近い環境で、他の受験生とともに、新作の問題を解くことから、論文式試験対策に有用であるとされています。
効果的に答練を受講することで、試験の合格に近づくかもしれません。
この記事は、論文答練の特徴をまとめ、その受講の要否と受講にあたっての注意点を指摘することを目的としています。



いずれの試験においても、公開の答練として有名なのが伊藤塾のコンプリート論文答練(コンプリ)と辰巳法律研究所のスタンダード論文答練(スタ論)です。
私は、予備試験に最終合格した年に両方の答練を取っていたため、多少なりとも両者の特徴がわかっているつもりです。
そこで、独学等と比較した答練の特徴を指摘する際には、両答練の比較も同時に指摘するようにしています。
項目によっては別ページにまとめているものもあるため、適宜参照してみてください。



論文答練の受講の是非、受講する答練の決定に役立てば何よりです。



(なお、答練としては他にもアガルートアカデミーのものも存在します。こちらも予備試験合格者で受講していた方は一定数いるように思います。ただ、オンライン添削で教室受験がなく他の答練と系統が異なることと、何より私自身が受講をしていなかったことから、比較対象から外しています。アガルート生を中心に根強い人気があり、こちらもいい答練であるように聞いています。)






1.答練の特徴

予備校によって主催されている答練には、演習書等を用いて独学をする場合と比べて、以下の5つの特徴があると言われることが多いように思います。

    • 他人からのコメント・添削を受けられる
    • 相対評価の相場観がわかる
    • 本番に近い環境で練習ができる
    • 値段が安いとは言い難い(奨学生・割引制度がある)
    • 問題作成・解説が予備校によってなされる

答練の特徴に上記のようなものがあることから、これらの点に着目して答練の受講の是非・選択をしていくことになるでしょう。
以下では、それぞれの点について検討してみます。


2.他人からのコメント・添削を受けられる

答練の一番の特徴であり、メリットは、他人からのコメント・添削を受けられることにあります。
論文式試験においては、自分が提出した答案のみで評価がなされます。
そのため、自分で試験に必要な知識をインプットできているつもりでも、それが採点者に理解・評価されるように表現できなければ、思ったような結果に繋がりません。
そこで、司法試験等に合格した、一定の理解を有する方に添削をしてもらうことで、アウトプットの質を高めることができます。
後掲のリンク先にある通り、一定の点数が示されて返されることから、絶対的な実力評価を得ることができることも、そのメリットの一内容です。



このようなメリットは、他人に添削してもらえる機会がある方には、あまり魅力的には思えないかもしれません。
たとえば、同じく法曹志望の友人と自主ゼミを組んでいる場合や、大学や法科大学院で答案練習会の機会や法律レポート等を出す機会が設けられているような場合、です。
しかし、特に前者で現実にあり得る懸念として、知り合いに自分の答案を見てもらうことが恥ずかしいと思うような場合や、他人の答案に口出しすることに抵抗がある場合があるでしょう。
また、演習する教材や、その具体的な採点基準等がない場合は、うまく自主ゼミが機能しないこともありえます。
そういった場合には、予備校の答練を利用してみることが考えられます。
(逆に、答練を受講する中で答案作成に慣れてきたのちに、受験生同士で自主ゼミを組むようにする、というのもよさそうです。身の回りにもそういう方は一定数います。)



伊藤塾のコンプリと辰巳のスタ論を比較するにあたっては、その採点表の差が挙げられます。
答練では、採点の質を担保するために、採点の目安となる採点表が設けられています。
そこで、添削・コメントも、ある程度その採点表に拘束される向きがあるため、その比較にあたっては採点表の特徴を比較するのが良いでしょう。


コンプリでは、各答案の特徴を総合的に評価できるよう、おおざっぱな採点表が設けられています。
そのため、それぞれの答案の特徴を捉えた添削がなされる傾向にある一方、添削者によってその内容がピンキリである印象があります。
一方スタ論は、かなり詳細な採点表が設けられています。
そのため、採点表を通じて書くべきポイントを学ぶことができる傾向にある一方、相対的に硬直的な採点が行われる印象があります。


どちらの答練を取るかは、その好みによって分かれることになるでしょう。


詳しくは、下記のリンク先を参照してみてください。
参照: (添削編)伊藤塾コンプリ答練・辰已予備スタ論の答練の比較



3.相対評価の相場観がわかる

次に挙げられる特徴としては、同じ問題を多数の受験生で解くことになるため、その相対評価の中での自分の立ち位置が把握できることが挙げられます。


司法試験・予備試験の論文式試験は、共に相対評価で点数がつく試験です。
(参照: 予備試験論文の採点方式)
もちろん絶対評価で適当な点数を得ることを目指すことが妥当な努力の方向ではあると思いますが、その要求ラインの推定にはどうしても母集団の把握が必要です。


答練の受講は、この母集団の把握による相対評価の相場観の形成を促します。
これは先に挙げた自主ゼミでは得難い利点で、人数の多い答練で、どれほどの問題に対してどのような点数分布となるかを把握することができます。
相場観が形成されると、おおまかには、判例や学説に関するかなり的確な理解が求められており、それを書けなければ書き負けるのか、現場で思考する問題として何かしら自分の考えが書けていればよいのか、というような判断が一定程度できるようになります。
この判断なしに分量や内容が不適切な記述をしてしまうと、相対的に低い評価になってしまうことがありえ、重要な判断だといえます。



伊藤塾のコンプリと辰巳のスタ論は、回にもよりますが、いずれも数百人規模の答練です。
そのため、相対評価の相場観を養うのにあまりに十分な人数がいるといえます。
そして、全体の点数分布が公表されることや、最上位の答案が見本として公表される点も共通しています。


差があるのは、次のような点です。
  • 予備スタ論では、順位表が出ないため、自分の具体的な順位はわからない。
  • 司法試験スタ論では、本番でなされる得点調整がなされるため、 採点者による偏りが是正される。
つまり、予備試験の答練においては、順位表が公表される点でコンプリが勝る一方、司法試験の答練においては採点者の偏りが是正される点で、より本番に近い相場観を養いうるスタ論が勝るといえそうです。




4.本番に近い環境で練習ができる

決まった時間を計って、大勢の中で集中して答案を書ききるのは、試験慣れした人でなければなかなか簡単なことではありません。
予備試験では1日に最大6時間、司法試験は1日に最大7時間答案を書くわけですから、これはかなり大変です。


予備校に行って答練を受ける場合には、大勢の人の中で、本番と類似の時間割で答案を書く練習ができるため、この訓練になります。
これも自主ゼミ等ではなかなか互換しづらいところではあります。
とはいえ、場慣れだけのために電車で往復して予備校に通うことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
個人的には、その点を補って余りあるメリットがあると感じています。



この点については伊藤塾と辰巳で差はほとんどないでしょう。
個人的には、辰巳東京本校のパイプ椅子が五反田の論文会場のそれと似ていて、安心して試験に臨めたようにも思いますが、誤差かもしれません。

5.値段が安いとは言い難い(奨学生・割引制度がある)

答練が明確に独学等に負けるのは、その費用の高さです。
具体的には別記事に任せますが、答練は通常料金でだと1問あたり2000円前後します。
学者による解説がついた演習書は、何十問も掲載されて3000円前後であることを考えると、なかなか難しいところです。
たとえば、いずれも受験生から人気のある刑法事例演習教材は48問で、事例演習刑事訴訟法(いわゆる古江本)は33問で3000円台です。
添削の有無を差し引いても、演習書による独学はかなり割安に思えてしまいます。







答練からするとこのビハインドを埋めることはなかなか困難ですが、奨学生制度や、割引制度を用いることでかなり金銭的負担を軽減することが可能です。
特に、全額免除となった場合にはこのデメリットを完全になくすことができます。
誰にでもチャンスがあるものなので、まずは奨学生試験を受けてみるところから始めてから検討するのでもよいかもしれません。
詳しくはリンク先から確認してみてください。

参照: (奨学生・値段編)伊藤塾コンプリ答練・辰已予備スタ論の答練の比較

6.問題作成・解説が予備校によってなされる

最後に、演習素材が予備校によって作成されている点は、良くも悪くも特徴といえそうです。
具体的には、予備校の問題や解説を読むよりは、実際に民事訴訟法の問題を作っている勅使河原先生の解説書等を読んだ方が勉強になるのではないか、というような懸念は、批判としてありえそうなものです。
逆に、事例問題の解決に直接に役に立つかわからない本を読むよりは、試験問題を解くことに特化した予備校の教材を使った方が、学習効果が高いのではないか、というような意見もありえるでしょう。


この点については、やや乱暴ですが、好みとしかいえないように思います。
より問題作成委員の問題意識に近いのは学者の先生が書いたような本かもしれませんし、実戦的な知識や書き方が学べるのは予備校の教材かもしれません。
個人的には、どちらか一方に限る必要はなく、いろいろ試してみながら、自分に合う学習方法を見つけ出せればよいのかな、と考えています。



この点についても、伊藤塾も辰巳も大きな差はないでしょう。


(ただ、伊藤塾のコンプリ答練は、その名が、伊藤塾の論文向け講座である論文マスターを補完するという意味でコンプリートとつけられている通り、やや分野に偏りがある印象です。比較材料にするには不確実にもほどがあるので、この点につき感想がある方がいたら教えてください。)





7.おわりに

以上の通り、答練に参加することには、いくつものメリットがあります。
特に、独学では得がたいメリットである本番類似の環境等には、大きな価値があると考えます。
一方で、コスト等の懸念点が存在することも事実です。
まずは、答練の奨学生試験を受けるなどして、実際のコストを把握することで、うまく重要視している事項を検討できそうです。


答練の受講の是非を適切に検討して、いい結果に繋がることを願っております。



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